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食いそうで食わない?

98年からアクアリウムを始めました。熱帯魚と水草そしてエビとカエルとラムズのコミュニティタンク(混泳水槽)で試行錯誤した結果をブログ記事にしています。

【徹底追及!】熱帯魚、水草のためのLED選び【淡水向け】

LEDは水草に向かない、演色性が悪いとネット上でよく言われてますが、水草が育ってきれいに見えるLEDはないのか?

アクアリウムの事情もいろいろ。小型水槽・キューブタイプ・水深のあるハイタイプ水槽・水深も奥行きもあるワイド水槽・真ん中に梁(バー)がある水槽でも水草育成できるものはないか?

水槽用LEDをいろいろ買ってみて、ショップの一押しとか、Raや全光束など各業界の基準をあてにしても水槽にマッチするとは限らないことがわかりました。

というわけで水槽用照明をLEDに買い替えるときに気を付ける点をまとめました。

せっかく人柱感覚で2013年からLEDをいろいろ買ったので誰かの役に立つといいな。
2019.1.16追記修正

ショップにもない赤系水草の展示水槽
私は熱帯魚ショップでも個人ユーザーでも有茎水草水槽を綺麗に長期維持しているケースを見たことがありません

とくに下の写真のような美しい赤系水草。

これはルドウィジア・レペンス・ルビンです。

しかしどこのショップへ行っても、このような赤系水草を豪華にレイアウトした展示水槽がどこにも見当たりませんでした。

よくよく探せば、ライトの裏あたりに、目立たない感じで水面付近で頂点だけが赤くなった水草があったりはしますが。

超有名店とか、行くところへ行けばあるのかな?

赤系水草は
超目玉商品ではないの??

水草水槽という分野はCO2やフィルター、オールガラス水槽にメタルハライドランプと高価な商品が目白押しの、ショップにとって海水と並ぶ稼ぎ頭

だからどの店も是が非でも派手に展示しなければならないはずです。

なぜ展示しないのでしょうか?

特に赤系水草は綺麗に育たない上に、維持に人件費が掛かるからではないかと思います。元が取れないと展示できるはずもない。

でもなぜ人手が掛かったり育たなかったりするのでしょう?

入荷した赤系水草は真っ赤なのに。

この疑問へのヒント。ショップが展示のために使ってるライトに注目しておいてください。

多額の出費とコケ地獄
ショップで維持できないものが、私のような何のテクもない1ユーザーに維持できるわけもなく…

99年以来メタハラと蛍光灯で10年以上にわたり、コケだらけで水草ひょろひょろなレイアウト(笑)を維持して来た私の腐海水槽。

水深50cm弱。黒ヒゲ中心でやってました(涙)。

節電ムードでLED化してみた
いままでのライトが全部ダメだったので、LEDにも水草の育成なんて期待していませんでしたし、むしろ疑っていました。

発色は薄いけど、おもったより明るくて綺麗だったので、新しい色を求めて買い足していくようになりました。

面白半分で導入したライトが
いろいろLEDを買い漁るうちに、ある時期から急激に状態が良くなってきて気泡ボッコボコ!
10年以上ダメだった水槽がたった3ヶ月ほどでコケすら出なくなり

その時期とは、海水用のLED「UVレッドブルー(現在のコーラルバイオレットに近いもの)」を買ったときで水槽内は青く見えるものの、逆に水草は赤くなりました。

1年らくらく維持できた
水草が養分を吸い尽くすためか、水草を植え替えず1年以上維持した状態でコケ掃除は年間たった2~3回、ガラス面を拭き取り黒ヒゲの酸処理をしただけで済みました。

水草のトリミングはふた月に1回~月に1回。間延びしなくなって切る必要が減ったのです。ハイグロフィラ・ロザエネルヴィスが赤くなってこれだけ落ち着いた成長をするのも珍しいのではないでしょうか。

ライトは水草水槽のエンジンだった!
だからライト選びさえしっかりすれば有茎水草の維持も大幅に楽になることがわかりました。

屋外のビオでは水草がいきいきと育つことがあるように、フィルター、CO2添加機器、ソイル、などなどは必要ない場合も多々ありますが、ライトだけは屋内水槽に必要不可欠。

むしろ、太陽光の代わりとなるライトこそが水草水槽のエンジンだったのです。

LEDならなんでもいい!?
当記事発表以来、現在はLEDもかなり普及してきましたが、冒頭のようなショップの展示状況に変化はありませんね。

LEDならなんでも赤系水草OKとはいかないのです。また、外国から買い付けて出品してるだけの販売者も多くなってきて修理対応の有無や品質も重要に。

そこで当ページにて、アクアリウム用ライトにとって最もハードルの高い赤系水草までも美しく維持できるライトを掘り下げてみました。

そして前代未聞ライトによるコケ対策!

近年話題のLEDの寿命やブルーライトについても触れておきました。ネットに氾濫するブルーライトの情報は…


この記事は数年かけて調べた結果と20年間の水槽管理の試行錯誤で成り立っています。



LED購入時のポイント
水草水槽で鑑賞と育成を楽に行うには、形、消費電力、配光角度(ビーム角)、色温度、スペクトル(単色スペクトルの追加)の5点が重要です。

スペクトルの注意点
水草の育ちは海水用スポットでも十分だったので、植物育成波長660nmにこだわらなくともいいようです。

逆に660nmの赤は暗くて黄色みがまったくないので見る人によっては綺麗さに欠ける面もあります。また、海水用も青すぎるし緑の葉が青白く見えるものです。

なので主に鑑賞したい色で追加色を選ぶのをおすすめします。

白色LEDの醸し出す発色は、青と黄色以外の色は薄いです(最近はファンタジアタイプなど銘柄によっては改善されている)。

薄くなる影響が大きいのが緑と赤つまり葉の色なのが重要な点です。
屋外の太陽光や、蛍光灯に比べると、水草が鮮やかさに欠ける感じに見えてしまうのです。

Ra評価は高いほど自然に近い発色になっていくようですが、鮮やかさとは違う基準なので要注意です。たとえRaが低くなっても緑と赤が強く出るライトの方が都合がいいかもしれないです。




【形】(薄型LEDとスポット形LED)
パワー大きめなアクアリウム用LEDライトを外見で大きく分けると、LED光源を沢山ちりばめた長方形の薄形LEDと、レンコンを半分に切ったようなE26ソケットに入るスポットLEDがあります。

薄型とスポット両方使った状況についてはLEDの感想【人柱】コケと戦った水草たちを見てください。

混在させるとゴチャゴチャに
下の写真のようにスポットLEDと薄形LEDを混在させているとライト同士の影ができてしまうので、購入前にどちらかだけに決めた方がよいです。人柱だからこうなっちゃたけど、皆さんが買うときどちらがオススメかといえば…


スポット形LEDが強力無比

スポット形(ビームランプも)がおすすめです。最初にリフトアップパーツ(ライトアームスライド等)とE26電球ソケットが必要です。メタハラのような安定器は不要。

薄型とスポット型両方を使ってて、水草の育ち段違い

サンダルやヒールで登山する?
スポットLEDはライト一個を買って置くだけですまないところが面倒かもしれませんが、色が選べる、方向制御できる、メンテの邪魔にならないなど、かゆいところに手が届き、赤系水草に必要なパワーがあって水草を育てやすかったです。

上図をクリックして見てください。メタハラ、蛍光灯、薄型LEDなど「全体を照らすライト」は赤系水草を綺麗にするには非力(距離が原因)で、逆に陰性水草には強すぎるので藻類をつけがちでした。

反対にスポットLEDは靴で言えば登山靴。外観は無骨ながら、高い機能性がありました。

特にハイタイプ水槽やワイド水槽で赤系水草を美しく育てたいならスポットライトが必須ですね。

小型水槽に使えるものは?
意外かもですが、30cmキューブなどは水草育成に困ってる方が多いようです。
それはなぜなのか。

高さが問題
小型水槽用の、蛍光灯や薄型LEDライトは「横幅のせい」で規模が小さいものしかありませんが、30㎝もの水深があるため大型水槽同様の強い光が必要です。

それでも一個で足りるとは限らないので、複数設置できるように、しっかりした取り付けアングルをつけるべきです。



スポット必須装備【スタンドとE26ソケット】
コトブキ ライトアームスライド90~120cm水槽用
コトブキ ライトアームスライド30~60cm水槽用

クリップソケット角度調節可能なE26ソケット。

ランプシェードがあると放熱できない(LEDが切れる原因)ので裸のソケットを選んでいます。


ビームランプ
広範囲を柔らかく照らしつつ、30度の範囲を強く照らす東芝ビームランプ(5年保証の対象になっています)。
例外あり、こちらのサイトでご確認を。
COBによる点光源なので小型魚の魚影や葉陰ができて立体的でナチュラルに見え、強さもあるので影になった下葉も枯れたのを見たことないです。下の東芝のはすべてビーム角30度、E26ソケット。
全光束の半分ほどがビームなので全部ビームなスポットライトよりは数が必要になるでしょう。

●Ra83 東芝昼白色ビームランプLDR12N-W
光が白くて明るい。鮮やかさはLEDとしてはやや改善されている感じっぽいです(スペクトル非公開)。白熱電球150Wビームランプ相当の規模。ただしビームの質は白熱灯よりLEDの方が均等。
LEDはリフレクタが密着しているからと思われます。全光束が同等なはずの、蛍光灯やメタハラにはないLEDの強み。

●Ra90 東芝高演色ビームランプLDR19L-D-W(18.8Wビーム角30度2800K電球色
多すぎる黄色成分をカットして鮮やかさを出したLED。
光色が黄色いけど緑の発色が鮮やか!100W相当。赤はそうでもないですが、水草を鑑賞するならこの系統を一個は照らしたいという感じです。

後継機種LDR15L-D-W、さらに後継の機種LDR12L-D-W消費電力19Wから12Wまで下がっており、その他の性能は同じという目覚ましい進化ぶり。

影までくっきり。

●Ra85 東芝ファンタジアタイプLDR15L-W/F電球色
鮮やかさを強化したバージョン。最新のLDR12番台からは後継機がなく、通常のものか高演色しかありません。しかし充分ニーズを満たしているので消えてしまったのかもしれません。100W相当。

公開されたスペクトルの模写です。黄色波長のカット量がさらに多いですね。
 
改訂以前のクリスタルエリート等で育成した頃の写真と比べて緑色がとても鮮やかに写っています。

電球色は全体に黄色くなってしまうので、アクア用スポットの青が多くて白が少ないタイプを同じ場所に照らすことで全体を白に近づける照らし方がおすすめです。できれば赤も少し入ったタイプがいいかも。




アクア用スポット
80度や60度など広いけど全光束ほぼビームなのでさらにパワフルです。

海外のメーカーから買い付けた製品を販売している業者が多いようで、調べた限り保証期間内なら交換するけど、期間外でも有償修理してくれる所は希なので要注意。

演色性も期待できないですが、足せる色のラインナップが豊富なのでなんとかできなくはないです。

パワフルなので水草を赤くしやすい、海水用は電球色の中和(黄色い光が白っぽくなる)に使えるという2つの有用性があります。

●暗いけど青と赤の表現が強い クリスタルエリートUVレッドブルー(現コーラルバイオレット
(20Wビーム角80度18000K白色に青450nm、青470nm、赤660nm追加)
うちで赤系の水草を赤くしたのはこれ。白色LEDにない紫色420nmが入ってるのと発色が弱い赤630nmが入っているのが選びどころでした(現在のモデルはカッコ内のとおりに変わっており、420nm波長が消えて残念ですが、赤が660nmになったのはうれしい人も?)。

2年半で壊れてしまい、メールによる修理の問い合わせには無反応…。

ライトアームスライドはリフトアップ高が高いのでビーム角によっては全体を照らしますが、狭く照らした方がよく育ちます。
クリスタルエリートは80度なのでレンズを30度にするなどして、不要な部分を照らさずに水草だけ明るくするように設置を工夫してみてください。

●Ra95グラッシーレディオRS122 フレッシュ
(23Wビーム角60度白色にバイオレット、青、シアン10000K)こちらは修理体制があるとサイトに載っています。海水用ライトの伝統なのか、シアンという波長が足されているので、両サイドの青系と緑系の色の鮮やかさは強くは出ないのでは?

●グランクリエイト AC18W80度 リンク先で色の組み合わせを選択します。ここもサイトに修理体制があると載っています。2018年現在はこれを使ってます。青8赤3紺2緑2UV3というタイプでこれは売り切れてしまったようです。ビーム角80度。欲を言えば緑4~6ぐらいあってほしかったですが、そういうタイプはなかったです。
 
写真手前の中央のルドウィジア・レペンス・ルビンがグランクリエイトの光で照らしており、まわりは東芝ビームランプで照らしています。左端のも同じルビンです。



注目のフルスペクトル
●Ra95フルスペクトル電球色SORAA PAR38タイプ 全光束1000lm 配光角25° 電球色 E26口金 LDR19L-M/D/930/P38/25/03
紫色のLEDを使用しワイドバンドな光。



赤系水草を赤くするのは強光
光が弱いといくら肥料をやっても赤くはならず、購入時に赤かった葉も、うまく光を照らせないと緑色になってしまいます。肥料をあげすぎると間延びするばかりです。


真っ赤な水草が入荷する不思議
たまにショップに並ぶ真っ赤な赤系水草の色は、ショップでも維持できないわけですが、なぜ入荷直後は赤いのか。

生産者では温室で太陽光を浴びているからでしょう。太陽光は明るさを測ると昼間の地上で10万ルクスもあります。

屋内の夜間照明の床はたったの700ルクスです。電球に近寄ってゼロ距離なら10万ルクス。

2灯式蛍光灯で照らした60㎝規格水槽の底は3000ルクス。ライトというのは距離が大事なのがおわかりになるでしょうか。

ショップに入荷した水草も太陽光の10分の1以下の明るさの中で、やがて緑色になってしまうのです。

【方式や全光束よりもレンズの有無が大事】
メタハラより全光束の低いスポットLEDが
結果を出した!

水草を育てるには、ライトの消費電力(ワット数、全光束が決まる)が高いほうがいいのはもちろんですが、レンズによるビーム角が付いていることが重要になります。むしろレンズの方が大事。

私が使っていた約70Wのメタハラは全光束4000ルーメン(白色球の推定)ですが水草が縦伸びしガラスとパイプはコケだらけ。リフレクターがお粗末(鏡面でなく乱反射形)でレンズもなかったのです。

それに対して後から導入した20WのスポットLEDは、全光束ではとてもメタハラに及びません。

スポットLEDの発光効率を低めに見積もって50lm/Wとすると20Wスポットライトの全光束は1000ルーメン。

高めに70lm/Wと推定しても1400lmです。70Wのメタハラは4000lm前後。

驚くべきことにメタハラがスポットLEDの足元にも及ばない育成結果になったのです。

ビームランプはたったの800lmだから育たないということではなく、むしろ全く逆、レンズがない方が育たないのです。

どちらも目で直視すればまぶしいけど、同じ「まぶしい」でも、スポットライトは1秒と直視できず、人や自分に向けたら危険なほどです。

しかし横から見るとかなりソフト。

逆にレンズがない方が横から見てもまぶしいし、貴重なエネルギーを無駄に散らしていることがわかるでしょう。

高機能・低コスト化する3大要素
スポットLEDを使っていると、高性能レンズ、LEDの集中配置、大型ヒートシンクの三大要素が機能性を高めていることがわかります。そのかわりああいう形状。

場所をとらず向きが変えられる
水槽上部に高さが取れずアーチスタンドが乗せられない水槽でないかぎり育成面でも鑑賞面でもメンテ作業でも有利です。

水草が間延びしないのでトリミング回数が減るのと、後述するコケ対策できること、併設して色が足せるなどなど。

二つの写真は左がスポットLEDUVレッドブルー(合計20W)だけ点灯、右は薄型LED(合計30W)とスポットLED(合計23W)の両方を点灯しているところです。明るさの差がはっきり出ていますね。

スポットライトには光の範囲がいろいろあって、コレの場合ビーム角80度で、スポットなのに結構広く照らしてるのが写真でもわかりますね。

スポットのある右側には水草を多めにまとめ植えして、左側は混泳魚の避難所みたいに機能しています。LEDをもっと高めに設置すれば水槽全体を照らすことも可能です。

色上げのために強光が必要な赤系水草が赤くなっているところも、スポットLEDの光が当たっているところ。強い光の当たっているところと一致しています(赤い草の両脇の緑の草は同じ種類なのです)。

深くても梁があっても使える
写真の水槽も真ん中に梁があるのでちょっと右に寄せて斜めにして使っています。

下はロタラ・インディカのトリミング直後と後日。

海水用ライトなので色はピンクっぽく映ってるけど、緑になったり縦伸びしないで育ってます。
赤くなっているのに水面から大分離れているところがポイントです。

わざと手前を暗くしているので手前のミクロソリウムの塊は暗く映っていますが、人の目には十分普通に見えています。

この水槽は幅81cmで半分ぐらいカバーできているから、2~3灯で90cmぐらいまではカバーできますね。

光学性能が決め手!
光が狭いからこそ逆に使える

レンズが高品質であることが大前提ですが、角度を狭くすると光が何倍にも強くなるので水草が光合成して気泡だしまくり。水槽の底が深いほど差がつきます。

太陽に虫眼鏡をかざして紙を燃やす実験のように、レンズがキモなのです。

LEDが水草を育てやすいのは
発光効率や力率のせいではなかった!
ライトの発光効率の違いなんて、蛍光灯、メタハラ、LEDで、電源込みだと約50lm/W前後で殆ど一緒。(2014年当時)

電源込みの消費電力が公表されたりしなかったりで混乱を招いているだけなのです。

LEDの進歩(鏡に密着した素子の光学性能と、電源部分の力率の向上、蛍光体の進歩)を見込んでも2倍程度の差しか作れません。

しかしレンズによる光学性能は同じLEDでも何倍にも増幅します。

2灯式蛍光灯とほぼ同等の全光束(2800lm)のLEDの
ビーム角による照度の違い

(照度計算はこちらのシミュレータをお借りしました)
配光特性と照度 30cm直下照度/照射面 50cm直下照度/照射面
スポット50度 45543lx/直径28cm 16395lx/直径46cm
散光120度 3301lx/直径104cm 1188lx/直径172cm
ビーム角による直下照度の違いをわかりやすくする参考として算出しました。

この場合は同じLED同士でも10倍以上の差になっていますね。スポットLEDで2800lmは3個分ほどなので不可能な数字ではないでしょう。

しかしスポットLED3個分で作った50㎝の水底の照度1万6千ルクスに対し、蛍光灯なら4~6本ほどしか置けないので1188lx(2灯)×3までしか達成できず、レンズのないLED(高効率な消費電力20Wスリムライトなど)を6基設置しても達成しません。

LEDは普通の光
LEDはフィラメント電球より高効率ですが、蛍光灯やメタハラも同様に高効率です。
これらと発光効率があまり変わらないし、レーザーのように指向性があるわけでもないです。

ただ緑色という人の目には明るく感じやすい波長を、高く盛ることができたために、とても効率の良いライトになりました。しかし残念ながら植物の成長にはそれほど効果的な波長ではありません。

LEDの本当の強みは
しかしレンズとリフレクターが、光源にほとんど密着の状態にできるから、光のムラをなくすことが「可能な」ところが利点なのであり、そこ以外は普通だという感想です。

好都合なことにリフレクターがLED素子に密着しています。リフレクターが放熱を兼ねているのです。熱は、空気より個体の方が伝導性が高いので、何かに密着させれば放熱効率が上がって劣化を防げるので、白か銀色のリフレクターに密着させたから、反射光の精度も上がって明るい光源となったのです。

フィラメント電球ではできなかった
均等な照度分布のビームを作れる
フィラメント電球のビームランプでは水槽内の照度分布がムラになっていたものが、リフレクター一体となったLEDにより、均等な明るい円ができるような高品質なものにできたことが最大の利点です。

つまりレンズを付けたら照度分布が荒れるという問題は、LEDのおかげで解決しているのに、まだレンズを付けない理由はないのです。

底付近の葉っぱにとって
レンズの有無こそ大事

せいぜい50歩100歩の発光効率や全光束と「レンズの有無」どっちが大事かは、照度のシミュレーションでも私の水槽の結果からも明白。

極論すればライト付近から底まで蛍光灯の2~3倍なのと、底付近が蛍光灯の10倍なのとどっちがいいかです。

全光束だけを重視しても仕方ないことがおわかりになるでしょう。


【コケ対策】前代未聞の光学作戦!
ネイチャーアクアリウムというムーブメントの主役といってもいいのが陰性水草。

アヌビアス、ミクロソリウム、ウィローモス、ブセファランドラ、クリプトコリネなど、これら成長の遅い水草たちには、強い光をあてているとコケがつきやすくなるのが悩みの種ですね。

ハッキリ言って「LEDだと何してもコケが付かない」なんてことはありません

工夫と対策は必要です。

コケ軍団VS水草軍団のウォーゲームを楽しむような気持ちで時間をかけてバランスをとっていくのが水草の醍醐味のひとつなのではないでしょうか。

面倒なことに藻類は「速攻」を得意戦術としています。

いくらメンテしてもあっというまに藻類に覆われてしまうことも。

そこで前代未聞の「光学作戦」を提供しましょう!

【部分遮光】
実は藻類というのは明るくないと生えないし、陰性水草はかなり暗くても育つので、スポットライトの向きを逸らすだけでコケ防止になります。


ガラス面やパイプ類も同様にライトで照らさないようにし、もちろん太陽光も当てないようにします。

すでに生えてるコケを取り除けば、黒ヒゲの出が段違いに少ないですよ!

掃除法防止法リンク先の記事を見てください)

緑の草を茶色にしないためにも
緑色が綺麗な水草なのに明るいと茶色になる草種も、暗めのところに植えるかスポット光をずらして光を弱めるのが効果的。

【強光育成】
成長の早い水草をいっぱい植えてそこだけスポットをあてると成長して、コケが好む養分を使いきってくれるのでコケが付きにくくなります。

ただし、経験上は養分のうち硝酸塩は使い切れないことがあります。そこは水草よりも脱窒菌の扱い方のほうがカギ。くわしくはこちらをクリックしてください。

うちの水槽の経験では鉄、リン、ケイ素などコケが必須とする微量元素のどれかが水草に使い切られてコケがでなくなるかのようです(たとえ硝酸塩が多くてもコケが減ります)。

上と下の写真を参考にしてください。奥のハイグロフィラとロタラだけに光が当たるように配光しています。

手前のミクロソリウムには漏れた周辺光だけが当たっています。

黒ヒゲなどが生えていませんね。

目視だとそれほど暗くない
上はカメラの写し方で手前が暗い写真になりましたが、照り返した周辺光の明るさだけでも、目視だと十分に鑑賞できます。

ミクロソリウムの半透明具合も楽しめます!

有茎水草が縦伸びしないのでトリミング回数も激減。

頑固で無限増殖なアオミドロ不純物投入で発生した藻類を何度か撃退してきました。コケ対策には「異物(一部の添加剤、鉱物等も)」をあまり水槽に入れすぎないことと、「高い照度と成長の早い水草いっぱい」が基本セットになる結果でした。

陰でも育つ明るさを
陽性水草は、光量不足などで下葉が溶けたりすると養分を放出してコケの元になってしまいます。

だからライトの強さは、光飽和点ギリギリの照度で済まさずに、陰になった葉が溶けない程度には明るさを確保する必要があります。つまり多灯ですね。



アクア用以外のライトはいろいろ都合があわないことが
海外製品を買い付けた販売者が多いので、耐久時間が設計通り実現しているとは言えないとか、修理してくれないなどアフターサービスに難があることが多いのが一番の難点でしょうが、それでもコスパ重視するなら選択肢に入ることもあるでしょうか。

店舗照明用やDIY用のスポットライトや投光器は、水槽用途に転用可能ですが、色温度が低すぎる、配光角度が狭すぎる、レンズが適していなくて光ムラができる、低発熱仕様なので暗い、コンセントの形が日本では適合しない、タイマーオフで調光設定がおかしくなるなど不都合な面があったりします。



【スペクトル】水草の育ちよりも
見た目の影響で選ぶべき
水草の育ちや赤系水草の赤さを出すには、海水用スポットライトで高い効果が出たので、660nmの波長のボリュームを気にする必要はとくにないようです。

このように赤が入っていたのですが、630nmで、よく効果があると言われる波長660nmドンピシャではありませんでした。

奥のピンク色になったロタラ・インディカを照らすのがこのクリスタルエリート。

ルシファパワーなど白中心の薄型ライトを併用していた頃の写真です。

【色温度】(ケルビン)
ライトの温度ではありません。平たく言うと白色光の青さ黄色さ加減です。

約3000K(ケルビン)でもっとも黄色い電球色、それ以上だと白くなり、さらにいくと青くなるものです。淡水水槽では6000~1万ケルビンが普通です。家電用LED電球などを代用すると色温度が低いので黄色く感じるかもしれません。


同じLEDでも銘柄や色温度が変るとスペクトル(光の成分)も大きくかわってきます。

「ホワイト、ブルー+ホワイト」という表記は色温度の違いを表現したものと事実上同じです。LEDの銘柄によっては、正確な色温度の表記ができないこともあるようです。

ブルーライトの比率で
色温度はブルーライトに属する380(400)~420nmまでの光の比率でほぼ決まります。

LEDは450nm付近の青い色だけでこれをまかなうけれど、蛍光灯やメタハラなども広い意味でのブルーライトを使っています。

同じ明るさで同じ色温度ならブル―ライトの害も同じでなければ論理的におかしいです。

それどころか、もっと高エネルギーな紫の波長も多く含む蛍光灯が、さも無害であるかのように言えるものでしょうか。

医学的に立証されない有害性
青色は目に見えるから、瞳が縮まり防御します。そうしないとまぶしくて視認できないからです。

紫外線は見えないから瞳は縮まらないですが、角膜や水晶体が吸収するので網膜にはほとんど到達しないとブル―ライト研究会がHPに掲示しています。

青い光が睡眠障害を起こす可能性があるとも言われますが、どの程度浴びると眠れなくなるのかも一向に要領を得ないところです。

赤系水草の赤さのように昼の屋外なみの照度10万ルクスで浴びなければ差異はない可能性はないと言えるのでしょうか。屋内の700ルクス程度で。

いらないとは思わない
屋外ほどの強い光ではないし、紫色や青色の波長はカットされてしまえば「表現力が落ちる」のは目に見えていて、とくに紫の波長を含むLEDを「フルスペクトル」と表記することもあります。多くの白色LEDが出さない波長なので貴重です。

ことさら青色だけヤバイような宣伝文句を信じるべきではないし、安易に規制すべきものではなく、逆に一定のニーズがあるのです。



散光ライトは横からでも直視できる問題が

スポットライトは横への光は弱いのでまぶしくないですし、人や自分に向けて直視しなければどうということはなさそうです。

必要なのは休憩
照明の有害性はさておき、数秒目を閉じることで休憩を入れてあげることの方が目には大事なのではないでしょうか。




発色、人の目にとっての【スペクトル】(何色を足しているか)
普通の白色LEDは演色性が70以上と高いので見る人によっては気にならないけれど、青と黄色以外の色は薄く見えることがありえます。

白色LEDには典型的な波長の曲線があり、へこんだところの色が相対的に薄いことがわかります。

3波長蛍光灯では抑えられていた黄色が強いので、LEDにした時に綺麗に見えるかもしれないし、違和感が出るかもしれません。


色温度の違うLEDを組み合わせるのは有効か
色の薄さは色温度の影響はほとんどないです。色温度を上げても下げても、青の比率が増減するだけで、黄色と隣の赤や緑の関係はあまり変わらないのです。青色LEDの上に載っているYAG蛍光体(ヤグ蛍光体)の量が違うだけだから。

なので安価に手に入る白色LEDの、色温度の違うものを複数混ぜて演色性をあげるという作戦は、(黄色のピークの形が、銘柄によってはややワイドバンドになるものの)3波長にまではならないので、はっきり鮮やかだとはいえない感じになりそうです。

白と青だけの組み合わせのライトも同様です。青色LEDを足してヤグ蛍光体の比率を下げているだけなので青と黄色以外の発色強化にはつながりません。

混色じゃなく原色を足したライトを選ぶ
そこで気に入った色を足してあるかが購入時の焦点になります。黄色波長がたっぷり入った白色LEDの比率を下げた方が鮮やかになるようです。

緑色が好きだったら、青と黄色の波長を出した混色ライトだと、光は緑に見えるかもしれないけど、緑色のものが綺麗にはなりません。緑のLEDを足して、隣の黄色が強い白色LEDの比率を減らしたほうがいいです。3原色そろうなら、白色LEDはなくとも可です。それが3波長。

バランスよく演色性を上げたいときは紫、緑、赤が入ったものにする。

とにかく鑑賞したい生体や植物の色に対応する波長の出るLEDを配置したライトが必要です。

混ざりやすさはLEDの位置関係できまる
スポットLEDには特定の色を強化するLED構成の製品があるので、強く出したい色が入ったスポットLEDを使います

スポットLEDは散光レンズと集中配置のおかげで、格安品でない限り、ほぼ気にならない程度に光が混ざります。

光の混ざり方が不安な方は冒頭の東芝ビームランプか、スポット型のメタハラの方がいいかも。メタハラは水草水槽向き?【スポットもあるよ】をご覧ください。

白色LEDも黄色をカットすれば3波長になる
白色LEDは全体的に白っぽくなってしまうのですが、黄色波長をカットする方法で鮮やかにしたものが、東芝ビームランプの一部、パナソニックの彩光色など。これらは、スペクトルに3つのピークができています。

ただクセが銘柄によってあるようです。緑の葉がきれいになりやすい、赤い葉がきれいになりやすいなど。なぜなら、赤い葉にも緑の色素が隠れていて、照らす波長に近い色に見えてしまうからです。

ほぼ電球色しかありません。



660nmにこだわる<レンズを付ける
私の水槽では海水用のUVレッドブルーでも良好に育っている(紫と青と赤が追加されているが赤は630nmで660nmが追加されてない、後継機コーラルバイオレットは660nmになっている)から、あまり気にしなくても大丈夫です。

むしろ技術・学術系の育成ソースを漁ると、赤ばかりのライトでは草の形がアンバランスになりがちな傾向が見られます。それに色も楽しめなくなります。

だから「LEDにレンズをつける」と「LEDを赤にする」どちらかを選ぶなら「レンズをつける」だけをお勧めします。これで育ちが悪ければもう一つ増やす方がいいです。

LEDの黄色蛍光体はかなりのワイドバンドなので低くみえる波長にも一定のボリュームがあります。

だから、レンズで数倍に増やせばボリュームのなさそうな波長もかなり大きくなります。
赤のLEDばかりにしなくとも綺麗に育つのです。

ただ逆に、青い波長が多い方が、葉が赤くなる可能性はあるかも。電球色ビームランプ1個だけだと赤系水草が、それほど赤くはなりません。

個数か青波長かで言えば個数が正解なのでしょうが。

緑の波長は育成効果は不明で、もっぱら葉の色を演出するためと思っていいのでは。

どうしても赤色成分が沢山ほしかったら、電球色のLEDで充分まかなえるようで、冒頭の東芝ビームランプも間延びを防ぐことができます。

しかし、赤さを出すにはそれほど効果的ではないようです。



水槽上部に高さを取れない場合のライト選び
どうしても高さが取れずスポットLEDを設置できない場合で底の方まで照度を確保したいときは、薄型LED複数にロータイプ水槽にするのが妥当です。

「なんだロータイプで有茎水草なんて!すぐ成長して水面に達してトリミングに追われるからバカバカシイ」って思っちゃいけません。
水草は光が足りてれば間延びしないから、いそがしくなくなるのです。

かといって水温を上げたら草が弱りますが、LEDはフタの上に直置きしないで1㎝でも隙間を作れてれば夏以外は大丈夫。

あとはスタイル面や陰影がないなど好みの問題ですね。

近年は、色鮮やかになるよう3波長化(RGBW)したゼンスイ新モデルパーフェクトクリアーが出ました。

さらに、2018年現在は、レイマックスに注目しています。




スポットLEDのレンズの耐久性など
スポットLEDはレンズが不適切だと色の混ざりが悪かったり劣化着色して暗くなったりします。劣化着色は青色より光子のエネルギーが大きい紫色のLED素子でおこった事例があります。

クリエリの現在モデル20のUVレッドブルーは1年後も劣化着色してませんでした。

しかし他のメーカーや出品者のLEDにも起こらないとはいい切れません。1ユーザーが全部買って試すわけにいかず、品質によるとしか。別のものを買う場合は買うところに問い合わせてみましょう。

バイタルウエーブ3Wに劣化着色がおこり、リコールで交換してもらいました。そのときは1年と経たないうちにレンズが茶色くなっていたので、UV素子や紫素子(青色より高エネルギー)のLEDライトを持ってる方は保証が効くうちに確認した方がいいですよ(ライトを消してから明るい所で確認)。

ヒートシンクとLED素子の密着状態が悪いと放熱しきれずに暗くなります。暗くなるのが妙に早いようなら組立工程でミスが起きた不良品だと判断していいでしょう。

ヒドイ話、たとえ1、2年で壊れてもコスパがいい
コストパフォーマンス的にはメタハラのスポット交換球と同程度以下の価格だから、極端な話、もしも2年で壊れてもトントン以上(2年なら交換球の寿命と同程度で値段は安い、メタハラに必要な安定器も不要)。

育たないライトを長年使っていた頃の私のように飽きて放置するより、育つほうがまだマシだと思います。

作りが悪い、壊れやすい、のはスポットLEDに限らず、生産拠点をさる国に移転したあらゆる物がこわれやすくなってしまいました。

うちではスポットLEDより先に、薄型LEDのアダプターが故障しましたし、近年の蛍光灯も壊れた話をよく聞きますし、インバータ化し始めて電子部品が増えているし、価格競争に晒されて安い部品を使う、そういう事情はLEDと同じとなると。

修理できるメーカーもある
コスパが悪くないといっても「修理してくれないのでリピート購入」というのは消費者として納得しがたいものですね。

その販売者が海外メーカーへの発注品を売っているだけの場合、故障したら送料が高額になり、修理できないという産業構造もあるようなので、そのメーカーに修理制度があるなしも要チェックですね。

スポットLEDは意外と重い
LEDライトは簡単には割れないけど結構重いです。落とすとガラスブタなどを割るかもしれません。

エアレ(ブクブク)の水滴を避け、放熱に気を使いましょう。

風通しの悪いソケットはだめ
密封形だったり、リフレクターや覆いがあってソケット内に熱がこもりやすいものは、LED素子やライトの根元にある電源パーツが熱で劣化するかも知れないので気を付けてください。



まとめ
・水草育成にはレンズを使用したスポットライトでないと光が不足する(底の方ほど)

・育成面でも鑑賞面でもパワーLEDとレンズを集中配置したE26スポット形LEDが都合がよい

・スポットLEDを選ぶ基準は、ワット数、ビーム角、色温度、スペクトル(何色が足してあるか)

・LED、蛍光灯にかかわらず品質とアフターサービスには注意が必要(とくにレンズ、放熱設計、電源部分)、保証期間外でも修理対応が見込める製品を

・白色LEDは青と黄色以外の発色が薄めなので、好みによって緑や赤などを組み合わせた製品や黄色波長をカットした製品などがよい

・色温度(K、ケルビン)で光全体の青み、黄色みを計れる

・水草育成のためにはパワー(水底照度)が必要だがスペクトルにはこだわる必要はない

・成長の遅い水草は日影にして成長の早い水草に光をあてコケの養分を使いきってもらう

・ガラス面やパイプなどに光をあてないことでコケ防止可能

・LEDにかかわらず高色温度ライトほどブルーライトを出している

・網膜を痛める力は見えない紫外線を出している蛍光灯の方が強いかもしれない



あとがき~好みのライトをさがそう
ここまで辛抱強く読まれた方は、赤系水草を売っているショップの展示がなぜ陰性水草レイアウト中心なのか、どんなライトがご自身の水槽事情にあっているか、ご理解いただけたのではないでしょうか。

ライトは太陽にかわる「水草水槽のエンジン」です
事実上スポットLEDだけが部分遮光強光育成により、より綺麗に育ち、維持の手間を減らせると言えます。良品に当たればという但し書きがつきますが。

レイアウトの自由度が広がり、光色や水草の選択肢が増えるので、個性が水槽に現れ、敷居が低くて楽しい趣味に変ってくるに違いありません。そうすると仲間も増える可能性も出てきますね。

長くなりましたがこれで終わります。皆さんの好みにあった水槽照明を探す手助けになれば。
おつかれさまでした。

CCFLの実情についてと、
メタハラとの比較は別ページとしましたのでご覧ください。

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