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食いそうで食わない?

ボララスなどの小型熱帯魚と赤系水草、そしてエビとドワーフザリガニとラムズのコミュニティタンク(混泳水槽)のブログ記事になってます。 主に、生体の病気予防、コケ防止(藻類の抑制)、赤系水草の色を維持するという視点で無理のない管理方法を探っています。

【徹底追及!】熱帯魚、水草のためのLED選び【淡水向け】

LEDは水草に向かない、演色性が悪いとネット上でよく言われてますが、水草が育ってきれいに見えるLEDはないのか?

アクアリウムの事情もいろいろ。小型水槽・キューブタイプ・水深のあるハイタイプ水槽・水深も奥行きもあるワイド水槽・真ん中に梁(バー)がある水槽でも水草育成できるものはないか?

水槽用LEDをいろいろ買ってみて、ショップの一押しとか、Raや全光束など各業界の基準をあてにしても水槽にマッチするとは限らないことがわかりました。

というわけで水槽用照明をLEDに買い替えるときに気を付ける点をまとめました。

せっかく人柱感覚で2013年からLEDをいろいろ買ったので誰かの役に立つといいな。
2019.3.12追記修正

ショップにもない赤系水草の展示水槽
私は熱帯魚ショップでも個人ユーザーでも有茎水草水槽を綺麗に長期維持しているケースを見たことがありません

とくに下の写真のような美しい赤系水草。

これはルドウィジア・レペンス・ルビンです。

しかしどこのショップへ行っても、このような赤系水草を豪華にレイアウトした展示水槽がどこにも見当たりませんでした。

よくよく探せば、ライトの裏あたりに、目立たない感じで水面付近で頂点だけが赤くなった水草があったりはしますが。

超有名店とか、行くところへ行けばあるのかな?

赤系水草は
超目玉商品ではないの??

水草水槽という分野はCO2やフィルター、オールガラス水槽にメタルハライドランプと高価な商品が目白押しの、ショップにとって海水と並ぶ稼ぎ頭

だからどの店も是が非でも派手に展示しなければならないはずです。

なぜ展示しないのでしょうか?

特に赤系水草は綺麗に育たない上に、維持に人件費が掛かるからではないかと思います。元が取れないと展示できるはずもない。

でもなぜ人手が掛かったり育たなかったりするのでしょう?

入荷した赤系水草は真っ赤なのに。

この疑問へのヒント。ショップが展示のために使ってるライトに注目してみてください。

多額の出費とコケ地獄
ショップで維持できないものが、私のような何のテクもない1ユーザーに維持できるわけもなく…

熱帯魚ショップをめぐっていて、初めて赤系水草に魅せられた1999年以来、メタハラと蛍光灯で10年以上にわたり、コケだらけで水草ひょろひょろなレイアウト(笑)を維持して来た私の腐海水槽。

水深50cm弱。黒ヒゲ中心でやってました(涙)。

節電ムードでLED化してみた
いままでのライトが全部ダメだったので、LEDにも水草の育成なんて期待していませんでしたし、むしろ疑っていました。

発色は薄いけど、おもったより明るくて綺麗だったので、新しい色を求めて買い足していくようになりました。

面白半分で導入したライトが
イルミネーションLEDで水草を弱らせたりと、いろいろLEDを買い漁るうちに、ある時期から急激に状態が良くなってきて気泡ボッコボコ!
10年以上ダメだった水槽がたった3ヶ月ほどでコケすら出なくなり

海水用のライトを買い足したので水槽内は青くなり、逆にロタラ・インディカが赤くなりました。

1年らくらく維持できた
水草が養分を吸い尽くすためか、水草を植え替えず1年以上維持した状態でコケ掃除は年間たった2~3回、ガラス面を拭き取り黒ヒゲの酸処理をしただけで済みました。

水草のトリミングはふた月に1回~月に1回。間延びしなくなって切る必要が減ったのです。ハイグロフィラ・ロザエネルヴィスが赤くなってこれだけ落ち着いた成長をするのも珍しいのではないでしょうか。

ライトは水草水槽のエンジンだった!
だからライト選びさえしっかりすれば有茎水草の維持も大幅に楽になることがわかりました。

屋外のビオでは水草がいきいきと育つことがあるように、フィルター、CO2添加機器、ソイル、などなどは必要ない場合も多々ありますが、ライトだけは屋内水槽に必要不可欠。

むしろ、太陽光の代わりとなるライトこそが水草水槽のエンジンだったのです。

LEDならなんでもいい!?
当記事発表以来、現在はLEDもかなり普及してきましたが、冒頭のようなショップの展示状況に変化はありませんね。

ライトの要求スペックの高さは
赤系水草>>前景水草≧陽性水草>>陰性水草

「水草用」と銘打った大光量なLEDなら赤系水草OK……ではないです。

水面下数㎝より下の葉が緑色にあせてしまう機種ばかりなのです。

ライトが適合してれば赤系水草も簡単
このスペックは価格と釣り合ってないのが大問題で、赤系水草は育成が難しいと信じられていますが、ライトのスペックが適合してればむしろ簡単だったようです。

品質とアフターサービスは?
また、保証期間の交換対応の有無は大事なポイントですが、外国から買い付けて出品してるだけの販売者も多くなってきて、保証期間が過ぎた以降の修理対応の有無も重要に。

私の場合、修理はするけど外国でするので配送料金の往復8千円までも消費者持ちだったり、もっとひどい場合は問い合わせそのものを無視するというケースも。

そこでアクアリウム用ライトにとって最もハードルの高い赤系水草までも美しく維持できる安心なライトを掘り下げてみました。

そして前代未聞ライトによるコケ対策!

近年話題のLEDの寿命やブルーライトについても触れておきました。ネットに氾濫するブルーライトの情報は…


この記事は数年かけて調べた結果と20年間の水槽管理の試行錯誤で成り立っています。



LED購入時のポイント
水草水槽で鑑賞と育成を楽に行うには、形式、消費電力、配光角度(ビーム角)、色温度、スペクトル(単色スペクトルの追加)の5点が重要です。




【形】(薄型LEDとスポット形LED)
パワー大きめなアクアリウム用LEDライトを外見で大きく分けると、LED光源を沢山ちりばめた長方形の薄形LEDと、レンコンを半分に切ったようなE26ソケットに入るスポットLEDがあります。

薄型とスポット両方使った状況についてはLEDの感想【人柱】コケと戦った水草たちを見てください。

水槽上のスペースを考えて
下の写真のようにスポットLEDと薄形LEDを混在させているとライト同士の影ができてしまうので、購入前にどちらかだけに決めた方がよいです。人柱だからこうなっちゃたけど、皆さんが買うときどちらがオススメかといえば…


スポットライト スリムライト
数が置ける
水草を赤くできる
 (全光束のわりに強い)
向きが変えられる
メンテで外さなくてよい






×ビームランプは色温度が低い
 高くても5000K
×アングル台と
 クリップソケットが必要
×重い(約420g)
スタイリッシュ
設置は置くだけ
高さのスペースがいらない
色温度が水槽に合っている


×漏れた光が眩しい
×水草を赤くできるのは
 水面付近だけ
 (全光束のわりに弱い)
×ガラス面を照らしてしまう
×水槽上部を大きく占有し
 メンテで邪魔
 数が置けない
×光量の不足

スポット形LEDが葉を赤くしやすい

どう考えても、おすすめできるのはスポット形(とビームランプ)の方です。物理的に。

最初にリフトアップパーツ(ライトアームスライド等)とE26電球ソケットが必要です。メタハラのような安定器は不要。

水草の状態大違い。間延びせずにパリッとした葉がでます。しかし壊れやすいので保証期間後も修理ができるメーカーのものがいいですね。
 
一方の薄型LED(スリムライト)はスタイリッシュだけど、フードやシェードで隠すべき眩しいものなのでスタイリッシュでなくてかまわないのです。

当記事発表当初の2014年より2019年はLEDの性能がさらにアップしたことを考慮しても、水槽上部のスペースが低い場合むけでしかないと考えてます(スポットはカミハタ製スタンドに付ける場合で最低高さ40㎝必要)。

サンダルやヒールで登山する?
スポットLEDは色が選べる、方向制御できる、小さいので何個も置ける、メンテの邪魔にならないなど、かゆいところに手が届き、赤系水草に必要なパワーがあって水草を育てやすかったです。

靴で言えば登山靴。外観は無骨ながら、高い機能性がありました。

特にハイタイプ水槽やワイド水槽で赤系水草を美しく育てたいならスポットライトが必須ですね。

小型水槽に使えるものは?
意外かもですが、30cmキューブなどは水草育成に困ってる方が多いようです。
それはなぜなのか。

高さが問題
小型水槽用の、蛍光灯や薄型LEDライトは「横幅のせい」で規模が小さいものしかありませんが、30㎝もの水深があるため大型水槽同様の強い光が必要です。

それでも一個で足りるとは限らないので、複数設置できるように、しっかりした取り付けスタンドをつけるべきです。



スポット必須装備【スタンドとE26ソケット】

コトブキ ライトアームスライド90~120cm水槽用スタンド
コトブキ ライトアームスライド30~60cm水槽用

カミハタ アーチスライド BSベーシックセット 600横600~720ミリの水槽用スタンド
 DSダブルシステムキット600でバーを2本にできる
カミハタ アーチスライド BSベーシックセット 900横720~970ミリ
 現在こちらを使用中です。DS900で2本に拡張できるし丈夫で安価。
 基部が樹脂製でガラスを痛めにくい。

 写真の水槽は横が81㎝という特殊な水槽なのでコトブキ製のスタンドが付けられませんでした。
 DSで2本にしてます。高さも段階的に調節できます。全機種361~551㎜。
 水槽上部のごちゃつきを消しゴムで消してみたけどBSのよさは伝わるかな?
カミハタ アーチスライド BSベーシックセット 1200横970~1220ミリ
 DS1200

クリップソケット角度調節可能なE26ソケット。比較的丈夫。

ランプシェードがあると放熱できない(LEDが切れる原因)ので裸のソケットを選んでいます。


5年保証なビームランプ
広範囲を柔らかく照らしつつ、30度の範囲を強く照らす東芝ビームランプ(5年保証の対象になっています、例外あり、こちらのサイトでご確認を)。しかし5年過ぎたら有償修理には対応しないかもしれませんね。

下の東芝のはすべてビーム角30度、E26ソケット。
全光束の半分ほどがビームなので全部ビームなスポットライトよりは数が必要になるけど、後で書きますが、大電力でビームなし180°のライトよりずっと強力です。

●Ra83 東芝ビームランプLDR12N-W(12Wビーム角30度5000K昼白色)
光が白くて明るい。鮮やかさはLEDとしてはやや改善されている感じっぽいです(スペクトル非公開)。白熱電球150Wビームランプ相当で12W。ただしビームの質は白熱灯よりLEDの方が均等とメーカー表示にあります。
LEDはリフレクタが密着しているからと思われます。全光束が同等なはずの、蛍光灯やメタハラにはないLEDの強み。

ビーム光束475ルーメン。というと、たったの?って言われそうですが、
照度計算機によると50㎝先を8875ルクスで照らすハイパワー。照らす範囲の直径は27㎝。
例:散光3000ルーメンの点光源ライトの50㎝下はたったの1927ルクス。多くのアクア用スリムライトは点光源ではないので50㎝直下はもっと低いのでは。

●Ra90 東芝高演色ビームランプLDR12L-D-W(18.8Wビーム角30度2800K電球色
ビーム光束360ルーメン。多すぎる黄色成分をカットして鮮やかさを実現。白熱電球100Wビームランプ相当の全光束で18.8W。
光色が黄色いけど緑の発色が鮮やか!
赤い葉はそうでもないですが、水草を鑑賞するならこの系統を一個は照らしたいという感じです。

LDR19L-D-Wの消費電力19Wから12Wまで下がっており、その他の性能は同じという目覚ましい進化ぶり。



COB技術で点光源に近いので、エビの脚の影までくっきり。

電球色は全体に黄色くなってしまうので、アクア用スポットの青が多くて白が少ないタイプを同じ場所に照らすことで全体を白に近づけるという照らし方がおすすめです。

できれば赤も少し入ったタイプがいいです。

海水アクア用スポットとLDR19L-D-W(最新後継機はLDR12L-D-W)を組み合わせて照らしている写真。
緑色がとても鮮やかになり、驚きました。



修理対応のあるアクア用スポット
80度や60度など広いけど全光束ほぼビーム。使用感としても赤系水草を赤くする力はさらにパワフルです。

海外のメーカーから買い付けた製品を販売している業者が多いようで、調べた限り半年~1年間の「保証期間内なら交換」するけど、期間外でも有償修理してくれる所は希なので要注意。壊れやすさから言って有償修理は必須条件だと思ってます。

白色光の演色性は期待できないですが、足せる色のラインナップが豊富なのでなんとかできなくはないです。
重要なのは平型の分散配置されたシステムLEDよりも各色の混ざりがよいこと。葉影などに起きる色ずれが少ないのです。

パワフルなので水草を赤くしやすい、海水用は電球色の中和(黄色い光が白っぽくなる)に使えるという2つの有用性があります。

 

●Ra95グラッシーレディオRS122 フレッシュ
(23Wビーム角60度白色にバイオレット、青、シアン10000K)こちらは修理体制があるとサイトに載っています。海水用ライトの伝統なのか、シアンという波長が足されているので、両サイドの青系と緑系の色の鮮やかさは強くは出ないのでは?

●グランクリエイト AC18W80度 リンク先で色の組み合わせを選択します。ここもサイトに修理体制があると載っています。2018年現在はこれを使ってます。青8赤3紺2緑2UV3というタイプでこれは売り切れてしまったようです。ビーム角80度。欲を言えば緑4~6ぐらいあってビーム角60度程度のがほしかったですが、そういうタイプはなかったです。
 
写真手前の中央のルドウィジア・レペンス・ルビンがグランクリエイトの光で照らしており、後ろは東芝ビームランプで照らしています。左端のも同じルビンです。

これのある方を葉が向くぐらいだし、新しい葉は赤みを出してきます。しかし一個で真っ赤とまではいかず、照らし損ねていったん緑になってしまった古い葉はやっぱり無理みたい。

私はビームランプとスポットライトをたまに一個ずつ買い足すという形で、個数が少ないうちは赤系だけを照らしてやりました。



注目のフルスペクトルビームランプ
●Ra95フルスペクトル電球色SORAA PAR38タイプ 全光束1000lm ビーム角25° 電球色 E26口金 LDR19L-M/D/930/P38/25/03
紫色のLEDを使用しワイドバンドな光。



赤系水草を赤くするのは強光
光が弱いといくら肥料をやっても赤くはならず、購入時に赤かった葉も、うまく光を照らせないと緑色になってしまいます。肥料をあげすぎると間延びするばかりです。


真っ赤な水草が入荷する不思議
たまにショップに並ぶ真っ赤な赤系水草の色は、買って帰っても簡単には赤さを維持できないわけですが、なぜ入荷直後は赤いのか。

生産者では温室で太陽光を浴びているからでしょう。太陽光は明るさを測ると昼間の地上で10万ルクスもあります。

屋内の60ワット電球で照らされた床はたったの30ルクスです。電球に近寄ってゼロ距離なら数万ルクス。

2灯式蛍光灯(60ワット電球約3個分)で照らした60㎝規格水槽の底は3000ルクス。ライトというのは距離が大事なのがおわかりになるでしょうか。

ショップに入荷した水草も、根元のあたりは太陽光の33分の1の明るさしかなく、やがて下の葉から緑色になってきてしまうのです。

【方式や全光束よりもレンズの有無が大事】
メタハラより全光束の低いスポットLEDが
結果を出した!

水草を育てるには、ライトの消費電力(ワット数、全光束が決まる)が高いほうがいいのはもちろんですが、レンズによるビーム角が付いていることが重要になります。むしろレンズの方が大事。

私が使っていた約70Wのメタハラは全光束4000ルーメン(白色球の推定)ですが水草が縦伸びしガラスとパイプはコケだらけ。リフレクターがお粗末(鏡面でなく乱反射形)でレンズもなかったのです。

4000ルーメンはLEDでも高光量のトライアングルブライト600公称値とほぼ同等の全光束です。
それに対して後から導入した20WのスポットLEDは、全光束ではとてもメタハラに及びません。

スポットLEDの発光効率を低めに見積もって50lm/Wとすると20Wスポットライトの全光束は1000ルーメン。

高めに70lm/Wと推定しても1400lmです。70Wのメタハラは4000lm前後。

驚くべきことにメタハラがスポットLEDの足元にも及ばない育成結果になったのです。

ビームランプはたったの800lmだから育たないということではなく、むしろ全く逆、レンズがない方が育たないのです。

どちらも目で直視すればまぶしいけど、同じ「まぶしい」でも、スポットライトは1秒と直視できず、人や自分に向けたら危険なほどです。

しかし横から見るとかなりソフト。

逆にレンズがない方が横から見てもまぶしいし、貴重なエネルギーを無駄に散らしていることがわかるでしょう。

高機能・低コスト化する3大要素
高性能レンズ、LEDの集中配置、大型ヒートシンクの三大要素が機能性を高めていることがわかります。そのかわりああいう形状。

場所をとらず向きが変えられる
水槽上部に高さが取れずアーチスタンドが乗せられない水槽でないかぎり育成面でも鑑賞面でもメンテ作業でも有利です。

水草が間延びしないのでトリミング回数が減るのと、後述するコケ対策できること、併設して色が足せるなどなど。

二つの写真は左がスポットLEDUVレッドブルー(合計20W)だけ点灯、右は薄型LED(合計30W)とスポットLED(合計23W)の両方を点灯しているところです。明るさの差がはっきり出ていますね。

スポットライトには光の範囲がいろいろあって、コレの場合ビーム角80度で、スポットなのに結構広く照らしてるのが写真でもわかりますね。

スポットのある右側には水草を多めにまとめ植えして、左側は混泳魚の避難所みたいに機能しています。LEDをもっと高めに設置すれば水槽全体を照らすことも可能です。

色上げのために強光が必要な赤系水草が赤くなっているところも、スポットLEDの光が当たっているところ。強い光の当たっているところと一致しています(赤い草の両脇の緑の草は同じ種類なのです)。

深くても梁があっても使える
写真の水槽も真ん中に梁があるのでちょっと右に寄せて斜めにして使っています。

下はロタラ・インディカのトリミング直後と後日。

海水用ライトなので色はピンクっぽく映ってるけど、緑になったり縦伸びしないで育ってます。
赤くなっているのに水面から大分離れているところがポイントです。

わざと手前を暗くしているので手前のミクロソリウムの塊は暗く映っていますが、人の目には十分普通に見えています。

この水槽は幅81cmで半分ぐらいカバーできているから、2~3灯で90cmぐらいまではカバーできますね。

光学性能が決め手!
光が狭いからこそ逆に使える

レンズが高品質であることが大前提ですが、角度を狭くすると光が何倍にも強くなるので水草が光合成して気泡だしまくり。水槽の底が深いほど差がつきます。

太陽に虫眼鏡をかざして紙を燃やす実験のように、レンズがキモなのです。

LEDが水草を育てやすいのは
発光効率や力率のせいではなかった!
ライトの発光効率の違いなんて、蛍光灯、メタハラ、LEDで、電源込みだと約50lm/W前後で殆ど一緒。(2014年当時の比較で、2018年は電源部分の進歩でかなりLEDが前進、ただし論調を変えるほどではありません)

電源込みの消費電力が公表されたりしなかったりで混乱を招いているだけなのです。

LEDの進歩(鏡に密着した素子の光学性能と、電源部分の力率の向上、蛍光体の進歩)を見込んでも2倍程度の差しか作れません(2018年は2倍ほどの製品も出てきている)。

ただ、全光束を2倍にした程度では、多くの赤系水草種を下の葉まで真っ赤にするほどの照度は得られないようです。

しかしレンズがついていれば照度は何倍にも増幅できます。

2灯式蛍光灯とほぼ同等の全光束(2800lm)のLEDの
ビーム角による照度の違い

(照度計算はこちらのシミュレータをお借りしました)
配光特性と照度 30cm直下照度/照射面 50cm直下照度/照射面
スポット50度 45543lx/直径28cm 16395lx/直径46cm
散光120度 3301lx/直径104cm 1188lx/直径172cm
ビーム角による直下照度の違いをわかりやすくする参考として算出しました。屋外の昼の太陽光は10万lxです。

この場合は同じLED同士でも10倍以上の差になっていますね。スポットLEDで2800lmは3個分ほどなので不可能な数字ではないですが、蛍光灯や薄型LEDは180度だから120度の値より低いうえ、水槽上に数本しか置けないので、スポットライトと同じ照度には絶対に出来ないのです。

またそのスポットライトでさえ太陽光にはかないません。

薄型LEDや蛍光灯は
メインタンク向けではない

平均的なアクア用スリムLEDの性能は、鑑賞面の問題は置いといて、育成面だけで言えばほとんど蛍光灯と同じ性能です。

スペクトルの形がかなり違うのですが、「前景水草を這わすことができるが、多くの赤系水草種を(ほぼ水面付近しか)赤くできない」という性能で共通しています。さらに、後の章で紹介するような育成テクニックも使えません。

厳密にはLEDは放熱構造なので葉焼けさせにくい(水槽なら水温上昇させにくい)けど、レンズがないから同程度の照度(育成性能)になるのですが、もしレンズがあってもLED球が分散配置なので水草が上に伸びるほど照度ムラになるという欠点が回避できません。


写真のような赤を出すにはライトの50㎝下まで十分な照度が必要です。

東南アジアのファームで太陽光を浴びて育ったルドウィジアがもっとも濃い赤なのでそれを目標にしたいものです。しかし購入後、照度が足りないといずれ緑色になってしまいます。

レンズのないLEDは上の表の散光120°より低い照度レベルになります(180°なので)

何ルクス以上で写真のような赤になるのかは不明ですが、海水用スポットライト+ビームランプで上から数枚の葉がこのようになりました。2枚目以降の葉っぱは影になるので、緑色になっている部分もあります。

赤系水草を密生させて、少ないスポットライトをいかにうまく当てるかが焦点です。

蛍光灯で言えば数本分の全光束にできる薄型LED
それでも50㎝下までは高照度にできない
後発のLEDトライアングル600で言えば、約1個分の全光束です。BRIGHTという緑色波長を強化した高効率タイプは約4000ルーメン、GROWで約3000ルーメン(追記:執筆当時の公表値)。

緑を強化すると「人の目には明るさがアップして見えるので高い数値になる」だけなので植物への育成効果は不明、ただ明るいだけでは綺麗にも見えないのだし通常はGROWを使うのでは。

アクアスカイやトライアングルGROWは2個ぐらいしか置けません。GROWでなくおおあまBRIGHT2個として8000ルーメンだから、照度計算機で3394lxにしかならないです。

これでできることは、前景水草を這わすことはできる(従来の高光量といえばここまで)が、多くの赤系水草種が赤くなるのは水面から数センチ下までだけになるのは間違いないです。

LEDの本当の強みは
レンズとリフレクターが、光源にほとんど密着の状態にできるから、ビームを作ったときの光のムラをなくすことが「可能な」ところが、他の発光方式にはない唯一無二の利点です。

好都合なことにリフレクターがLED素子に密着しています。リフレクターが放熱を兼ねているのです。熱は、空気より個体の方が伝導性が高いので、何かに密着させれば放熱効率が上がって劣化を防げるので、白か銀色のリフレクターに密着させたから、反射光の精度も上がって明るい光源となったのです。

フィラメント電球ではできなかった
均等な照度分布のビームを作れる
LEDがない時代の、白熱電球のビームランプでもLDR12L-D-Wなどと同じ明るさの製品はありました。

消費電力は10倍近いですが、当時からレンズのないスリムLEDライトより明るかったのです。

ただ、白熱電球ビームランプでは水槽内の照度分布がムラになっていたものが、リフレクター一体となったLEDにより、均等な明るい円ができるような高品質なものにできたことが、メーカー発表されています。

つまりレンズを付けたら照度分布が荒れるという問題は、LEDのおかげで解決しているのに、まだレンズを付けない理由はないのです。

底付近の葉っぱにとって
レンズの有無こそ大事

せいぜい50歩100歩の発光効率や全光束と「レンズの有無」どっちが大事かは、照度のシミュレーションでも私の水槽の結果からも明白。

極論すればライト付近から底まで蛍光灯の2~3倍なのと、底付近が蛍光灯の10倍なのとどっちがいいかです。

全光束だけを重視しても仕方ないことがおわかりになるでしょう。


【コケ対策】前代未聞の光学作戦!
ネイチャーアクアリウムというムーブメントの主役といってもいいのが陰性水草。

アヌビアス、ミクロソリウム、ウィローモス、ブセファランドラ、クリプトコリネなど、これら成長の遅い水草たちには、強い光をあてているとコケがつきやすくなるのが悩みの種ですね。

ハッキリ言って「LEDだと何してもコケが付かない」なんてことはありません

工夫と対策は必要です。

コケ軍団VS水草軍団のウォーゲームを楽しむような気持ちで時間をかけてバランスをとっていくのが水草の醍醐味のひとつなのではないでしょうか。

面倒なことに藻類は「速攻」を得意戦術としています。

いくらメンテしてもあっというまに藻類に覆われてしまうことも。

しかしほとんどの水草種は長時間の戦闘が可能です(砂礫なら年単位で)。

そこで前代未聞の「光学作戦」を提供しましょう!

【部分遮光】
実は藻類というのは明るくないと生えないし、陰性水草はかなり暗くても育つので、スポットライトの向きを逸らすだけでコケ防止になります。


ガラス面やパイプ類も同様にライトで照らさないようにし、もちろん太陽光も当てないようにします。

すでに生えてるコケを取り除けば、黒ヒゲの出が段違いに少ないですよ!

掃除法防止法リンク先の記事もご覧ください)

人の目には、隣の明るさで充分鑑賞できます。部屋を暗くするのもいいですよ。


緑の草を茶色にしないためにも
緑色が綺麗な水草なのに明るいと茶色になる草種も、暗めのところに植えるかスポット光をずらして光を弱めるのが効果的。

【強光育成】
成長の早い水草をいっぱい植えてそこだけスポットをあてると成長して、コケが好む養分を使いきってくれるのでコケが付きにくくなります。

ただし、経験上は養分のうち硝酸塩は使い切れないことがあります。そこは水草よりも脱窒菌の扱い方のほうがカギ。くわしくはこちらをクリックしてください。

うちの水槽の経験では鉄、リン、ケイ素などコケが必須とする微量元素のどれかが水草に使い切られてコケがでなくなるかのようです(たとえ硝酸塩が多くてもコケが減ります)。

上と下の写真を参考にしてください。奥のハイグロフィラとロタラだけに光が当たるように配光しています。

手前のミクロソリウムには漏れた周辺光だけが当たっています。

黒ヒゲなどが生えていませんね。

目視だとそれほど暗くない
上はカメラの写し方で手前が暗い写真になりましたが、照り返した周辺光の明るさだけでも、目視だと十分に鑑賞できます。

ミクロソリウムの半透明具合も楽しめます!

有茎水草が縦伸びしないのでトリミング回数も激減。

頑固で無限増殖なアオミドロ不純物投入で発生した藻類を何度か撃退してきました。コケ対策には「異物(一部の添加剤、鉱物等も)」をあまり水槽に入れすぎないことと、「高い照度と成長の早い水草いっぱい」が基本セットになる結果でした。

陰でも育つ明るさを
陽性水草は、光量不足などで下葉が溶けたりすると養分を放出してコケの元になってしまいます。

だからライトの強さは、光飽和点ギリギリの照度で済まさずに、陰になった葉が溶けない程度には明るさを確保する必要があります。つまり多灯ですね。



アクア用以外のライトはいろいろ都合があわないことが
海外製品を買い付けた販売者が多いので、耐久時間が設計通り実現しているとは言えないとか、修理してくれないなどアフターサービスに難があることが多いのが一番の難点でしょうが、それでもコスパ重視するなら選択肢に入ることもあるでしょうか。

店舗照明用やDIY用のスポットライトや投光器は、水槽用途に転用可能ですが、色温度が低すぎる、配光角度が狭すぎる、レンズが適していなくて光ムラができる、低発熱仕様なので暗い、コンセントの形が日本では適合しない、タイマーオフで調光設定がおかしくなるなど不都合な面があったりします。



【スペクトル】水草の育ちよりも
見た目の影響で選ぶべき
水草の育ちや赤系水草の赤さを出すには、海水用スポットライトで高い効果が出たので、660nmの波長のボリュームを気にする必要はとくにないようです。

2013年に購入したスポットライトはこのように赤が入っていたのですが、630nmで、よく効果があると言われる波長660nmドンピシャではありませんでした。

奥のピンク色になったロタラ・インディカを海水用スポットライトで照らしています。

ルシファパワーなど白中心の薄型ライトを併用していた頃の写真です。

【色温度】(ケルビン)
ライトの温度ではありません。平たく言うと白色光の青さ黄色さ加減です。

約3000K(ケルビン)でもっとも黄色い電球色、それ以上だと白くなり、さらにいくと青くなるものです。淡水水槽では6000~1万ケルビンが普通です。家電用LED電球などを代用すると色温度が低いので黄色く感じるかもしれません。


同じLEDでも銘柄や色温度が変るとスペクトル(光の成分)も大きくかわってきます。

「ホワイト、ブルー+ホワイト」という表記は色温度の違いを表現したものと事実上同じです。LEDの銘柄によっては、正確な色温度の表記ができないこともあるようです。

ブルーライトの比率で白さが決まる
色温度はブルーライトに属する380(400)~420nmまでの光の比率でほぼ決まります。

LEDは450nm付近の青い色だけでこれをまかなうけれど、蛍光灯やメタハラなども広い意味でのブルーライトを使っています。

LEDにおける
ブル―ライトの危険性は

根拠がない
同じ全光束で同じ色温度ならブル―ライトの害も蛍光灯の害も同じでなければ論理的におかしいです。〇〇ーライト研究会の発表は定量的説明がないので私には信用ができません。

それどころか、もっと高エネルギーな紫の波長も多く含む蛍光灯が、さも無害であるかのように言えるものでしょうか。

紫外線は見えないから明るさや色温度には影響しません。どんなに紫外線の量が多くても、目は瞳を閉じて防御してくれないのです。しかし〇〇ーライト研究会は角膜が吸収するから紫外線は安全と発表しています。信じていいとは思えません。

私はPCモニターに、(バックライトが蛍光灯と同じスペクトルなので紫外線が出る)CCFLタイプのバックライトのモニターを使用していますが、かなり目が疲れるので、LEDバックライトのモニターに変えたいと思っています。

必要なのは休憩
照明の有害性はさておき、数秒目を閉じることで休憩を入れてあげることの方が目には大事なのではないでしょうか。




発色、人の目にとっての【スペクトル】(何色を足しているか)
普通の白色LEDは演色性が70以上と高いので見る人によっては気にならないけれど、青と黄色以外の色は薄く見えることがありえます。

白色LEDには典型的な波長の曲線があり、へこんだところの色が相対的に薄いことがわかります。

3波長蛍光灯では抑えられていた黄色が強いので、LEDにした時に綺麗に見えるかもしれないし、違和感が出るかもしれません。


混色じゃなく原色を足したライトを選ぶ
気に入った色を足してあるかが購入時の焦点になります。白色LEDは黄色がたっぷり入っていて、その分となりの緑と赤が鮮やかさに欠ける印象をだしてしまうので、白色を削ってでも緑と赤を別々に用意したほうが鮮やかになります。

とにかく鑑賞したい生体や植物の色に対応する波長の出るLEDを配置したライトが必要です。

色の混ざりやすさはLEDの集中具合できまる
水槽写真をいろいろ検索すると、多色の分散配置な平型のLEDだと(レンズがある場合)混ざりがよくないようです。

スポットLEDは散光レンズと集中配置のおかげで、格安品でない限り、ほぼ気にならない程度に光が混ざります。

光の混ざり方が不安な方はビームランプか、スポット型のメタハラの方がいいかも。メタハラは水草水槽向き?【スポットもあるよ】をご覧ください。

白色LEDも黄色をカットすれば3波長(鮮やか)になる
白色LEDは全体的に白っぽくなってしまうのですが、黄色波長をカットする方法で鮮やかにしたものが、東芝ビームランプの一部製品。

パナソニックのLED電球などは新しい世代は蛍光体を2種類つかったりして3波長にしているようです。ただ、ビームランプも3波長になっているのか公式発表では確認できません。屋外用なのでスペクトル(蛍光体の構成)が違うかもしれないです。

銘柄によって緑の葉がきれいになりやすい、赤い葉がきれいになりやすいなど癖があり、赤い葉にも緑の色素が少し隠れていて、照らすLEDのスペクトルによっては茶色に見えてしまうこともあります。ただし茶色に見えてても、もっと灯数を増やせば赤の色素がさらに増えてきて茶色を脱出するかも。



660nmにこだわる<レンズを付ける
LEDの黄色蛍光体はかなりのワイドバンドなので低くみえる波長にも一定のボリュームがあります。

だから、レンズで数倍に増やせばボリュームのなさそうな波長もかなり大きくなります。
赤のLEDばかりにしなくとも綺麗に育つのです。

ただ逆に、青い波長が多い方が、葉が赤くなる可能性はあるかも。電球色ビームランプ1個だけだと赤系水草が、それほど赤くはなりません。

個数か青波長かで言えば個数が正解なのでしょうが。

緑の波長は育成効果は不明で、もっぱら葉の色を演出するために使う波長と思っていいのでは。

どうしても赤色成分が沢山ほしかったら、電球色のLEDで充分まかなえるようで、冒頭の東芝ビームランプも間延びを防ぐことができます。

しかし、赤さを出すには1灯ではそれほど効果的ではないようです。



風通しの悪いソケットはだめ
密封形だったり、リフレクターや覆いがあってソケット内に熱がこもりやすいものは、LED素子やライトの根元にある電源パーツが熱で劣化するかも知れないので気を付けてください。



まとめ
・水草育成にはレンズを使用したスポットライトでないと光が不足する(底の方ほど)

・育成面でも鑑賞面でもパワーLEDとレンズを集中配置したE26スポット形LEDが都合がよい

・白熱電球タイプのビームランプの光ムラを改善したものがLEDタイプのビームランプ

・LEDの利点はレンズを付けても光ムラができないこと、低消費電力、長寿命ただし故障しやすいので修理可能なメーカーを選ぼう

・LEDは大光量というのは大げさ、ブル―ライトが多いというのも大げさ
 レンズなしで赤系水草が赤くなるほどではない
 色温度と照度が同じならブル―ライトの量は同じ
 
・スポットLEDを選ぶ基準は、ワット数、ビーム角、色温度、スペクトル(何色が足してあるか)

・白色LEDは青と黄色以外の発色が薄めなので、好みによって緑や赤などを組み合わせた製品や黄色波長をカットした製品などがよい

・色温度(K、ケルビン)で光全体の青み、黄色みを計れる

・水草育成のためにはパワー(水底照度)が必要だがスペクトルにはこだわる必要はない

・成長の遅い水草は日影にして成長の早い水草に光をあてコケの養分を使いきってもらう

・ガラス面やパイプなどに光をあてないことでコケ防止可能



あとがき~好みのライトをさがそう
ここまで辛抱強く読まれた方は、赤系水草を売っているショップの展示がなぜ陰性水草レイアウト中心なのか、どんなライトがご自身の水槽事情にあっているか、ご理解いただけたのではないでしょうか。

ライトは太陽にかわる「水草水槽のエンジン」です
事実上スポットLEDだけが部分遮光強光育成により、より綺麗に育ち、維持の手間を減らせると言えます。良品に当たればという但し書きがつきますが。

レイアウトの自由度が広がり、光色や水草の選択肢が増えるので、個性が水槽に現れ、敷居が低くて楽しい趣味に変ってくるに違いありません。そうすると仲間も増える可能性も出てきますね。

長くなりましたがこれで終わります。皆さんの好みにあった水槽照明を探す手助けになれば。
おつかれさまでした。

CCFLの実情についてと、
メタハラとの比較は別ページとしましたのでご覧ください。

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