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食いそうで食わない?

ボララスなどの極小型な熱帯魚と赤系水草、そしてエビとドワーフザリガニとラムズのコミュニティタンク(混泳水槽)の記事になってます。 とくに、魚の病気の治療と予防、コケ防止(藻類の抑制)、赤系水草の色揚げを無理のない方法をさぐり実践中!

【徹底追及!】熱帯魚、水草のためのLED選び【淡水向け】

LEDは水草に向かない、演色性が悪いとネット上でよく言われてますが、水草が育ってきれいに見えるLEDはないのか?

アクアリウムの事情もいろいろ。小型水槽・キューブタイプ・水深のあるハイタイプ水槽・水深も奥行きもあるワイド水槽・真ん中に梁(バー)がある水槽でも水草育成できるものはないか?

水槽用LEDをいろいろ買ってみて、ショップの一押しとか、Raや全光束など各業界の基準をあてにしても水槽にマッチするとは限らないことがわかりました。

というわけで水槽用照明をLEDに買い替えるときに気を付ける点をまとめました。

せっかく人柱感覚で2013年からLEDをいろいろ買ったので誰かの役に立つといいな。
2019.5.11追記修正

ショップにもない赤系水草の展示水槽
私は熱帯魚ショップでも個人ユーザーでも有茎水草水槽を綺麗に長期維持しているケースを見たことがありません

とくに下の写真のような赤系水草が中心になったもの。
 
これは左奥からルドウィジア・レペンス・ルビン、バコパ・モンニエリ、レインキー、ハイグロフィラ・ロザエネルヴィスなどです。

しかしどこのショップへ行っても、このような赤系水草を中心にレイアウトした展示水槽がどこにも見当たりませんでした。

よくよく探せば、ライトの裏あたりに、目立たない感じで水面付近で頂点だけが赤くなった水草があったりはしますが。

超有名店とか、行くところへ行けばあるのかな?

赤系水草は
超目玉商品ではないの??

どの店も是が非でも派手に展示すべきはずです。

なぜ展示しないのでしょうか?

ショップに入荷した赤系水草は真っ赤なのに。

1998年、店員さんが教えてくれたのは、光が足りないと緑になってしまうということでした。

私は「蛍光灯を増やせばいい」と甘く考えて赤系水草を購入してしまいました。

しかし水槽上部を蛍光灯で埋め尽くしても赤くならないではありませんか・・・


1998年以来
コケ地獄でしかなかった

ショップで維持できないものが、私のような何のテクもない1ユーザーに維持できるわけもなく・・・

20年ほど前に私が熱帯魚を初めたての頃、まっ赤な水草に魅せられて以来、コケだらけでひょろひょろな緑色の赤系水草レイアウト(涙)を維持して来ました。

水深50cm弱。

ライトはメタルハライドランプと蛍光灯あわせて約130ワット。
全光束は5500ルーメンぐらいにはなります。


震災後の節電ムードでLED化してみた
東日本大震災で省エネ化が求められるようになり、なかば風評に煽られるようにして、人柱っぽい感覚でLEDを買ってみたくなってしまいました。

LEDを買ってみたら、発色は薄いけど、おもったより明るかったので、新しい色を求めて買い足していくようになりました。


2013年の経験
イルミネーションLEDに交換して水草を弱らせたりと、人柱としていろいろLEDを買い漁るうちに、ある時期から急激に状態が良くなってきて気泡ボッコボコ!

10年以上ダメだった水槽がたった3ヶ月ほどでコケすら出なくなり



必要なのはレンズだった
5500ルーメンの何倍もの明るさに相当するLEDが購入できた、というわけではありません。物理的に不可能ですね。重要なのは全光束ではなくレンズだったんです。

しかしライトの使い方も重要です。

こんな風に水草がヘロヘロな状態からイキイキしてコケすら出さない水槽へと進化するにはどうすればいいか、ちょっと脱線してお教えします。



【ライトでコケ対策】前代未聞の光学作戦!
ネイチャーアクアリウムというムーブメントの主役といってもいいのが陰性水草。

アヌビアス、ミクロソリウム、ウィローモス、ブセファランドラ、クリプトコリネなど、これら成長の遅い水草たちには、強い光をあてているとコケがつきやすくなるのが悩みの種ですね。

ハッキリ言って「LEDだと何してもコケが付かない」なんてことはありません

工夫と対策は必要です。

コケ軍団VS水草軍団のウォーゲームを楽しむような気持ちで時間をかけてバランスをとっていくのが水草の醍醐味のひとつなのではないでしょうか。

面倒なことに藻類は「速攻」を得意戦術としています。

いくらメンテしてもあっというまに藻類に覆われてしまうことも。

しかしほとんどの水草種は長時間の戦闘が可能です(砂礫なら年単位で)。

そこで前代未聞の「光学作戦」を提供しましょう!

【部分遮光】
実は藻類というのは明るくないと生えないし、陰性水草はかなり暗くても育つので、スポットライトの向きを逸らすだけでコケ防止になります。


ガラス面やパイプ類も同様にライトで照らさないようにし、もちろん太陽光も当てないようにします。

すでに生えてるコケを取り除けば、黒ヒゲの出が段違いに少ないですよ!

掃除法防止法リンク先の記事もご覧ください)

人の目には、隣の明るさで充分鑑賞できます。部屋を暗くするのもいいですよ。


緑の草を茶色にしないためにも
緑色が綺麗な水草なのに明るいと茶色になる草種も、暗めのところに植えるかスポット光をずらして光を弱めるのが効果的。

【強光育成】
成長の早い水草をいっぱい植えてそこだけスポットをあてると成長して、コケが好む養分を使いきってくれるのでコケが付きにくくなります。

ただし、経験上は養分のうち硝酸塩は使い切れないことがあります。そこは水草よりも脱窒菌の扱い方のほうがカギ。くわしくはこちらをクリックしてください。とくにエロモナス菌に由来する病気で困っている方は必見です。



上と下の写真を参考にしてください。奥のハイグロフィラとロタラだけに光が当たるように配光しています。

手前のミクロソリウムには漏れた周辺光だけが当たっています。

黒ヒゲなどが生えていませんね。

目視だとそれほど暗くない
上はカメラの写し方で手前が暗い写真になりましたが、照り返した周辺光の明るさだけでも、目視だと十分に鑑賞できます。

ミクロソリウムの半透明具合も楽しめます!

有茎水草が縦伸びしないのでトリミング回数も激減。

頑固で無限増殖なアオミドロ不純物投入で発生した藻類を何度か撃退してきました。コケ対策には「異物(一部の添加剤、鉱物等も)」をあまり水槽に入れすぎないことと、「高い照度と成長の早い水草いっぱい」が基本セットになる結果でした。

陰でも育つ明るさを
より強い光を必要とする陽性水草は、光量不足などで下葉が溶けたりすると養分を放出してコケの元になってしまいます。

藻類を出さないためには、陽性水草の根本(水底)まで光が強い状態で届くことが大事になります。



というわけで、ライトで水草を健康にするのと、藻類を減らす方法はリンクしています。

水草水槽用ライトの必須条件
・レンズがなければ根元の色が落ちる(葉が溶ける)
・遮光が可能ならガラス面の掃除が楽


さて2019年、世間の風潮は、
数年前までは蛍光灯と比べてLEDは育たないというものだったのが、2019年はLEDで消費電力が大きければなんでもOKという風潮、にまで変わってきました。


LED選びは、
大光量ならレンズがなくともいける!?

LEDでも水草が育つのは、90年代にはすでに技術的ソースがあり、もともと間違いないのですが・・・
 
これは蛍光灯と疑似白色LEDの等しい照度での比較の模写です。
出典:東芝ライテック
https://www.tlt.co.jp/tlt/lighting_design/proposal/led_basics/led_bluelight.htm

現在のアクアリウム用LEDライトは同じ水槽に設置したとき蛍光灯以上の照度を得やすいこともあり、「LEDは蛍光灯より水草が育ちにくい」とは誰も証明できないはず。

しかし水深によっては、全光束あわせて5500ルーメンでも失敗するのだから。

消費電力や発光方式(LED、メタハラ、蛍光灯の違い)よりも大事なことがあるのです。

レンズの有無(もしくは水深)と、色の見え方(演色性)です。


植物の葉の色の美しさ現れ方は通常、3波長蛍光灯>疑似白色LEDです。
これは色がきれいに成長するというより、同じ草が、よりきれいに見えるという意味です。

上の比較図で言えば、美しく鑑賞したい色の部分の両側がへこんでいる方が鮮やかに見えるようです。東芝のキレイ色やパナソニックの室内用電球全般が、ここを重視して黄色成分を抑えています(ビームランプがそうなっているかは双方のメーカーとも不明)。

緑色の波長の隣が黄色で、黄色がへこんでいないことが緑色を強調できないということに繋がるわけですね。

しかし下の写真のように、強い照度を出せるビームランプ型LEDの方が赤系水草を赤くしやすいです。残念ながら蛍光灯にはビームランプタイプは存在しないです。

ということはビームランプで植物をそだてて、ときには蛍光灯で鑑賞するのが妥当ということに。

両方を点灯すると明るい方しか影響して見えなくなってしまうので、鑑賞時にビームランプを消すしかありません。また、蛍光灯は大きすぎてビームランプの光をさえぎってしまいます。

鑑賞用LEDの
お勧めはRGBWという

疑似白色ではないタイプ
そこで鑑賞用にお勧めなのがゼンスイパーフェクトクリアのようなRGBWタイプのLEDです。

光の3原色を同じ場所から発生させると白い光になり、疑似白色LEDのように蛍光体を使用しなくとも白が作れるうえに、緑色も綺麗に見えやすいという特徴があります。

しかも、それをワンチップで実現しているんです。そういうチップを何個も並べてライン照明になっていて、光のムラがほとんどないところが鑑賞用に最適。

ほぼ同じ仕組みでできた中国メーカーの「カラー調光LED電球」という安価な品物で色の濃さを確認できました。とても濃い緑と赤が出ます。

ただ、これ自体はお勧めできません。電源スイッチをオンにした直後はネオンサインモードになってしまうので白にするには、毎日リモコン操作が必要になるし、長持ちするかは不透明です。パーフェクトクリアはそういう問題はないので。

下はパーフェクトクリアの公開されたスペクトルの模写です。緑色の両隣の波長が強くないので葉を青々と見せてくれます。ビームランプタイプにはRGBWがないので、鑑賞用として一つあるとよいのです。どのみちビームランプを消灯しなければ見えないので、鑑賞タイムにだけ点灯するから明るさは10ワット程度のタイプでもOK。

蛍光灯に似た山なりスペクトルになっていますね。

ゼンスイパーフェクトクリア(30456090120150180
タイマー機能のついたコトブキレイマックス(60cm90cm120cm水槽用)※青緑赤白の4チャンネルがあり白チャンネルを弱める必要あり


2019年

ルドウィジア・レペンス・ルビンを前年8月から育てています。

緑色の水上葉からここまで来ました。

※写真の色温度設定の間違いにより、葉が黄色く見えすぎているかもしれません。

この草の場合、
肥料を入れる ⇒ 間延びするし緑色になる
二酸化炭素を増やす ⇒ 赤色になるけど間延びする
という状態で、色と形を美しく育てるには、やはり重要なのはライトです。

というかライトまでの距離とライトの強さの関係。

      ▼

決して経験とかコツの問題、ではないですね。


品質とアフターサービスは?
また、保証期間の交換対応の有無は大事なポイントですが、外国から買い付けて出品してるだけの販売者も多くなってきて、保証期間が過ぎた以降の修理対応の有無も重要に。

私がこうむったケースでは、修理はするけど外国でするので配送料金の往復8千円までも消費者持ちだったり、もっとひどい場合は修理依頼の問い合わせそのものを無視するというケースも。

そこでアクアリウム用ライトにとって最もハードルの高い赤系水草までも美しく維持できる安心なライトを掘り下げてみました。

近年話題のLEDの寿命やブルーライトについても触れておきました。ネットに氾濫するブルーライトの情報は…


この記事は数年かけて調べた結果と20年間の水槽管理の試行錯誤で成り立っています。



LED購入時のポイント
水草水槽で鑑賞と育成楽に行うには、形、消費電力、配光角度(ビーム角)、色温度、スペクトル(単色スペクトルの追加)の5点が重要です。




【形】(薄型LEDとスポット形LED)
パワー大きめなアクアリウム用LEDライトを外見で大きく分けると、LED光源を沢山ちりばめた長方形の薄形LEDと、レンコンを半分に切ったようなE26ソケットに入るスポットLEDがあります。

薄型とスポット両方使った状況についてはLEDの感想【人柱】コケと戦った水草たちを見てください。

水槽上のスペースを考えて
下の写真のようにスポットLEDと薄形LEDを混在させているとライト同士の影ができてしまうので、購入前にどちらかだけに決めた方がよいです。人柱だからこうなっちゃたけど、皆さんが買うときどちらがオススメかといえば…


スポットライト スリムライト
数が置ける
水草を赤くできる
 (全光束のわりに強い)
向きが変えられる
メンテで外さなくてよい
トリミングペースが長い





×ビームランプは色温度が低い
 高くても5000K
×アングル台と
 クリップソケットが必要
×重い(約420g)
スタイリッシュ
設置は置くだけ
高さのスペースがいらない
色温度が水槽に合っている


×漏れた光が眩しい
×水草を赤くできるのは
 水面付近だけ
 (全光束のわりに弱い)
×ガラス面を照らしてしまう
×水槽上部を大きく占有し
 メンテで邪魔
 数が置けない
×トリミングペースが短い
×光量の不足

スポット形LEDが葉を赤くしやすい

最初にリフトアップパーツ(ライトアームスライド等)とE26電球ソケットが必要ですがお勧めできるのはこっち。

メタハラのような安定器は不要です。

水草の状態大違い。しかし壊れやすいので保証期間後も修理ができるメーカーのものがいいですね。
 
一方の薄型LED(スリムライト)の方がスタイリッシュだけど、まぶしいからフードやシェードで隠すべきなのでスタイリッシュでなくてかまわないのです。


サンダルやヒールで登山する?
靴で言えば登山靴。外観は無骨ながら、パワーと機能性がありました。

特にハイタイプ水槽やワイド水槽で赤系水草を美しく育てたいならスポットライトが必須ですね。

小型水槽も水深は30㎝あったりするので事情は大型水槽とさほどかわりません。レンズがないと光が散って葉っぱまで届かないのが問題なので、しっかりしたスタンドを用意してビームランプを照らした方が楽なのです。


もう一つの選択肢
ロータイプ水槽と
スリムライトの組み合わせ

この組み合わせは、光の距離減衰が急激なことを逆手に取ったもので、決していい加減な話ではないです。密着状態なら万単位の照度も不可能ではないので。熱とか問題がいろいろありますが。

ただし上で紹介したコケ対策はできません。

LED農場でスポットライトばかりを使用しないのは水深がないので間近で照らせるからなので、
レンズがなくともロータイプ水槽なら赤系水草を赤くしやすく、その他の水草も間延びさせにくいわけです。

間延びしにくいから思ったよりトリミング期間もそこまで短くはならないのです。

ただし温度上昇には注意してください。夏はリフトアップパーツを必ず使用するべきです。

意外かもしれませんが、幅の広い水槽の方が、強いライトがあるから小さなキューブより育成は楽になります。真ん中に寄せ植えなレイアウト推奨。端を陰性水草で飾ってもいいですね。



ハイタイプやワイドタイプの水槽には
スポットライトを

ビームランプは、ビーム光束400ルーメン前後だったりとスペックが低い印象かもしれませんが、水深45㎝の「底をどっちが明るく照らすか」が問題で、赤系水草の「てっぺんだけ赤い」ほとんど緑の状態が嫌なら底まで明るくしなければなりません。

約5500ルーメンのレンズ無しライトより数灯のビームランプの方がずっと強力だという結果が、この写真に出ています。

左は管理に失敗した写真しか残っていなかったので正確な比較とは言えないですが、一応参考までに75ワットメタハラと2灯式蛍光灯の併用で約5500ルーメン(水槽真ん中に梁があって影るものの片側にすべて寄せて灯している)。
右はビームランプ4つでビーム光束合計1670ルーメンと、ビーム光束不明の海水用スポットライト2灯。レンズがあると少ない全光束でもこんなに赤い葉を維持できるのです。


明るさの参考に
人間の目は瞳孔が自動的に明るさを調節してしまうので、明るさの比較が客観的にできません。夜中に室内の灯りを点灯すると明るく見えますが、昼間の晴天の太陽光のしたにその灯を持ち出して点灯してもまったく点灯しているのかさえわからないほど暗いのはご存知ですか?

これは太陽光の照度10万ルクスに瞳孔が同調しているから、もっと暗い室内灯は全く見えなくなってしまうのです。

点光源ライトの全光束→水底照度計算表

全光束 深さ 20cm 30cm 50cm
1000ルーメン 4014 1784 642
2000ルーメン 8028 3568 1284
3000ルーメン 12042 5352 1927
4000ルーメン 16056 7136 2569
5000ルーメン 20070 8920 3211
6000ルーメン 24083 10704 3853







表の見方:売っているライトの全光束を確認して、左のルーメン数に近いものを見ていきます。
たて列は水槽の深さ。
ライトが2000ルーメンで水槽の深さが30㎝なら、3568ルクスの照度となります。

こちらの計算機をお借りしました
https://www.bannerengineering.com/jp/ja/company/expert-insights/lux-lumens-calculator.html

※1 水深45cmは入力不能

※2 点光源の直下である想定なので、多くのアリウムライトは分散配置しているから中心部分でも数値を下回ります

もし二つ以上のライトを灯す予定ならその全光束を足したルーメン数で表を参照ください。

赤系水草のうち、簡単なものを除くと少なくとも照度1万ルクス以上必要と考えています。太陽光は10万ルクスなので慢性的に日照不足のような状態です。

横幅が広いライトほど、全光束が大きい傾向にあるので、水槽の方を、横幅が広くて浅いものにする方が水草育成には有利だとわかるのです。



スポット必須装備【スタンドとE26ソケット】

コトブキ ライトアームスライド90~120cm水槽用スタンド
コトブキ ライトアームスライド30~60cm水槽用

カミハタ アーチスライド BSベーシックセット 600横600~720ミリの水槽用スタンド
 DSダブルシステムキット600でバーを2本にできる
カミハタ アーチスライド BSベーシックセット 900横720~970ミリ
 現在こちらを使用中です。DS900で2本に拡張できるし丈夫で安価。
 基部が樹脂製でガラスを痛めにくい。

 写真の水槽は横が81㎝という特殊な水槽なのでコトブキ製のスタンドが付けられませんでした。
 DSで2本にしてます。高さも5㎝刻みで段階的に調節できます。全機種361~551㎜。
 水槽上部のごちゃつきを消しゴムで消してみたけどBSのよさは伝わるかな?
カミハタ アーチスライド BSベーシックセット 1200横970~1220ミリ
 DS1200

クリップソケット角度調節可能なE26ソケット。比較的丈夫。

ランプシェードがあると放熱できない(LEDが切れる原因)ので裸のソケットを選んでいます。



5年保証なビームランプ
広範囲を柔らかく照らしつつ、30度の範囲を強く照らす東芝ビームランプ(5年保証の対象になっています、例外あり、こちらのサイトでご確認を)。しかし5年過ぎたら有償修理には対応しないかもしれませんね。

下の東芝のはすべてビーム角30度、E26ソケット。
全光束の半分ほどがビームになっていてスペックとしてはビーム光束の数値が決め手。


●Ra83 東芝ビームランプLDR12N-W(12Wビーム角30度5000K昼白色)
光が白くて明るい。鮮やかさはLEDとしてはやや改善されている感じっぽいです(スペクトル非公開)。白熱電球150Wビームランプ相当の明るさで消費12W。ただしビームの質は白熱灯よりLEDの方が均等とメーカー表示にあります。
LEDはリフレクタが密着しているからと思われます。全光束が同等なはずの、蛍光灯やメタハラにはないLEDの強み。

ビーム光束475ルーメン。というと、たったの?って言われそうですが、
照度計算機によると50㎝先を8875ルクスで照らすハイパワー。照らす範囲の直径は27㎝。複数置ける安価さ、省スペース性により大光量も実現でき超おすすめとなるのです。

例:散光3000ルーメンの点光源ライトの50㎝下は1927ルクス。多くのアクア用スリムライト(蛍光灯とLED)は点光源ではないので50㎝直下はもっと低く分散する計算になります。


●Ra90 東芝高演色ビームランプLDR12L-D-W(18.8Wビーム角30度2800K電球色
ビーム光束360ルーメン。多すぎる黄色成分をカットして鮮やかさを実現。白熱電球100Wビームランプ相当の全光束で18.8W。
光色が黄色いけど緑の発色が鮮やか!
水草を鑑賞するならこの系統を一個は照らしたいという感じです。

私が使用しているLDR19L-D-Wの後継機で、消費電力19Wから12Wまで下がっており、その他の性能は同じという目覚ましい進化ぶり。



COB技術で点光源に近いので、エビの脚の影までくっきり。

電球色は全体に黄色くなってしまうので、アクア用スポットの青が多くて白が少ないタイプを同じ場所に照らすことで全体を白に近づけるという照らし方がおすすめです。

できれば赤も少し入ったタイプがいいです。

海水アクア用スポットとLDR19L-D-W(最新後継機はLDR12L-D-W)を組み合わせて照らしている写真。
緑色がとても鮮やかになり、驚きました。



修理対応のあるアクア用スポット
80度や60度など広いけど全光束ほぼビーム。使用感としても赤系水草を赤くする力はさらにパワフルです。

海外のメーカーから買い付けた製品を販売している業者が多いようで、調べた限り半年~1年間の「保証期間内なら交換」するけど、期間外でも有償修理してくれる所は希なので要注意。壊れやすさから言って有償修理は必須条件だと思ってます。

白色光の演色性は期待できないですが、足せる色のラインナップが豊富なのでなんとかできなくはないです。
重要なのは平型の分散配置されたシステムLEDよりも各色の混ざりがよいこと。葉影などに起きる色ずれが少ないのです。

パワフルなので水草を赤くしやすい、海水用は電球色の中和(黄色い光が白っぽくなる)に使えるという2つの有用性があります。

 

●Ra95グラッシーレディオRS122 フレッシュ
(23Wビーム角60度白色にバイオレット、青、シアン10000K)こちらは修理体制があるとサイトに載っています。海水用ライトの伝統なのか、シアンという波長が足されているので、両サイドの青系と緑系の色の鮮やかさは強くは出ないのでは?

●グランクリエイト AC18W80度 リンク先で色の組み合わせを選択します。ここもサイトに修理体制があると載っています。2018年現在はこれを使ってます。青8赤3紺2緑2UV3というタイプでこれは売り切れてしまったようです。ビーム角80度。欲を言えば緑4~6ぐらいあってビーム角60度程度のがほしかったですが、そういうタイプはなかったです。
 
写真手前の中央のルドウィジア・レペンス・ルビンがグランクリエイトの光で照らしており、後ろは東芝ビームランプで照らしています。左端のも同じルビンです。

これのある方を葉が向くぐらいだし、新しい葉は赤みを出してきます。しかし一個で真っ赤とまではいかず、照らし損ねていったん緑になってしまった古い葉はやっぱり無理みたい。

私はビームランプとスポットライトをたまに一個ずつ買い足すという形で、個数が少ないうちは赤系だけを照らしてやりました。

アングル台を伸ばしてライトを少し高めに設置することで光がうまく混ざり、中和できました。明るさは加算なので色揚げ効果も増します。



注目のフルスペクトルビームランプ
●Ra95フルスペクトル電球色SORAA PAR38タイプ 全光束1000lm ビーム角25° 電球色 E26口金 LDR19L-M/D/930/P38/25/03
紫色のLEDを使用しワイドバンドな光。



赤系水草を赤くするのは強光
光が弱いといくら肥料をやっても赤くはならず、購入時に赤かった葉も、うまく光を照らせないと緑色になってしまいます。肥料をあげすぎると間延びするばかりです。


真っ赤な水草が入荷する不思議
たまにショップに並ぶ真っ赤な赤系水草の色は、買って帰っても簡単には赤さを維持できないわけですが、なぜ入荷直後は赤いのか。私は20年前からずっとそのことを考えてました。

南方の生産地では池で太陽光を浴びているからでしょう。太陽光は明るさを測ると昼間の地上で10万ルクスもあります。

屋内の60ワット電球で照らされた床はたったの30ルクスです。電球に近寄ってゼロ距離なら数万ルクス。

2灯式蛍光灯(60ワット電球約3個分)で照らした60㎝規格水槽の底は3000ルクス。

ショップに入荷した水草も、根元のあたりは太陽光の33分の1の明るさ(光子の数)しかなく、やがて下の葉から緑色になってきてしまうのです。


高機能・低コスト化する3大要素
LEDビームランプやLEDスポットライトは高性能レンズ、LEDの集中配置、大型ヒートシンクの三大要素が機能性を高めていることがわかります。レンズがあるなら光の色の違うものを分散すると混ざらなくなってしまうので集中配置は必須条件でしょう。


光学性能が決め手!
光が狭いからこそ逆に使える

レンズが高品質であることが大前提ですが、角度を狭くすると光が何倍にも強くなるので水草が光合成して気泡だしまくり。水槽の底が深いほど差がつきます。

太陽に虫眼鏡をかざして紙を燃やす実験のように、レンズがキモなのです。


LEDが水草を育てやすいのは
発光効率や力率のせいではなかった!
意外にもライトの発光効率の違いは、蛍光灯、メタハラ、LEDで、電源込みだと約50lm/W前後で殆ど一緒

電源込みの消費電力が公表されたりしなかったりで混乱を招いているだけです。

LEDの進歩(鏡に密着した素子の光学性能と、電源部分の力率の向上、蛍光体の進歩)を見込んでも2倍程度の差しか作れません(2018年は発光効率2倍ほどの製品が本当に出てきているが)。


2灯式蛍光灯とほぼ同等の全光束(2800lm)のLEDの
ビーム角による照度の違い

(照度計算はこちらのシミュレータをお借りしました)
配光特性と照度 30cm直下照度/照射面 50cm直下照度/照射面
スポット50度 45543lx/直径28cm 16395lx/直径46cm
散光120度 3301lx/直径104cm 1188lx/直径172cm

ビーム角による直下照度の違いをわかりやすくする参考として算出しました。屋外の昼の太陽光は10万lxです。

この場合は同じLED同士でも10倍以上の差になっていますね。

スポットLEDで2800lmは3個分ほどなので不可能な数字ではないですが、蛍光灯や薄型LEDは180度だから120度の値よりもっと低くく(葉っぱに当たる光の量は、表右下の1188lxより低い)、水槽上に数本しか置けないので、スポットライトと同じ照度には絶対に出来ないのです。

またそのスポットライトでさえ太陽光にはかないません。

赤系水草のだいご味
 
何ルクス以上で写真のような赤になるのかは不明ですが、海水用スポットライト+ビームランプで上から数枚の葉がこのようになりました。

2枚目以降の葉っぱは影になるので、緑色になっている部分も見当たります。

決して判で押したようにはいかないですが、さらに赤にこだわりたくなってきます。
 
少ないスポットライトをいかにうまく当てるかが赤系水草のだいご味ですね。


LEDの本当の強みは
お伝えしてきた通り、蛍光灯からLEDに変更して全光束が2倍になった程度では、底の照度は非常に低いレベルのままです。

しかしLEDはレンズとリフレクターが、光源に密着しているから、ビームを作ったときの光のムラできにくいところが、他の発光方式にはない唯一無二の利点です。

リフレクターが放熱機能を兼ねていて、超小型の電子部品なので歪みにくいのです。

熱は、空気より個体の方が伝導性が高いので、何かに密着させれば放熱効率が上がって劣化を防げるので、白か銀色のリフレクターがわりの放熱台に密着させたから、結果的に反射光の精度も上がったわけです。


フィラメント電球ではできなかった
均等な照度分布のビームを作れる

LEDがない時代の、白熱電球のビームランプでもLDR12L-D-Wなどと同じ明るさの製品はありました。

白熱電球全盛の当時からレンズのないスリムLEDライトよりビームランプの方が照度は高かったです(消費電力は8倍弱ですが)。

ただ、1999年に私が買ったメーカー不明のビームランプタイプのハロゲン作業灯は、照度ムラがひどくて水草にうまく光を当てることができませんでした。

白熱電球ビームランプでは水槽内の照度分布がムラになっていたものが、リフレクター一体となったLEDにより、均等な明るい円ができるようになったようです。




アクア用以外のライトはいろいろ都合があわないことが
海外製品を買い付けた販売者が多いので、耐久時間が設計通り実現しているとは言えないとか、修理してくれないなどアフターサービスに難があることが多いのが一番の難点でしょうが、それでもコスパ重視するなら選択肢に入ることもあるでしょうか。

店舗照明用やDIY用のスポットライトや投光器は、水槽用途に転用可能ですが、色温度が低すぎる、配光角度が狭すぎる、レンズが適していなくて光ムラができる、低発熱仕様なので暗い、コンセントの形が日本では適合しない、タイマーオフで調光設定がおかしくなるなど不都合な面があったりします。



【スペクトル】水草の育ちよりも
見た目の影響で選ぶべき

水草の育ちや赤系水草の赤さを出すには、海水用スポットライトでもビームランプでも高い効果が出たので、660nmの波長のボリュームを気にする必要はとくにないようです。

2013年に購入したスポットライトはこのように赤が入っていたのですが、赤は630nmで、よく効果があると言われる波長660nmドンピシャではありませんでした。

奥のピンク色になったロタラ・インディカを海水用スポットライトで照らしています。
 

【色温度】(ケルビン)
ライトの温度ではありません。平たく言うと白色光の「青さ⇔黄色さ」加減です。

約3000K(ケルビン)でもっとも黄色い電球色、それ以上だと白くなり、5500ケルビンで日中の太陽光に近く、6500Kで昼光色、さらにいくと青くなるものです。

淡水水槽では6000~1万ケルビンが普通です。家電用LED電球などを代用すると色温度が低いので黄色く感じるかもしれません。


同じLEDでも銘柄や色温度が変るとスペクトル(光の成分)も大きくかわってきます。

アクア用ライト「ホワイト、ブルー+ホワイト」という表記は色温度の違いを表現したものと事実上同じです。LEDの銘柄によっては、正確な色温度の表記ができないこともあるようです。

ビームランプは電球色か昼白色しかないのが大問題で、どうしても青系(海水用)スポットライトと併用したくなると思います。


ブルーライトの比率で白さが決まる
色温度はブルーライトに属する380(400)~420nmまでの光の比率でほぼ決まります。

LEDは450nm付近の青い色だけでこれをまかなうけれど、蛍光灯やメタハラなども広い意味でのブルーライトを使っています。

LEDはブル―ライトが強いから危ない
という話には物理学的な根拠がない

ブル―ライトを使わない限り、白色の色温度を上げることができません。

また、蛍光灯や水銀灯、メタルハライドなどもLEDと同じく、ブル―ライトを出さねば白は作れない事情は同じです。

等しい照度でスペクトルを計測すると、実は蛍光灯より多いとは言えない結果であることが分かっています。

東芝ライテックのこのページの図を模写したものです。 

逆に、蛍光灯などLED以外のライトは、構造的にもっとエネルギーが強くて目に見えない紫外線までも放ちます(313nmと365nmの波長出力ありリンク先は株式会社ベストエコロジーのpdf)。

したがってブル―ライトと紫外線のどちらの面からも「LEDではないから網膜に悪くない」とはいえないのです。

バックライトに蛍光灯の一種であるCCFLを使用した液晶モニターはLEDを使用したものより目が疲れるような気がしませんか?

直視できなくしよう
もっと強いライトが必要なのだから

どんなライトであれ低い位置に光源があって直接目に見えている状態で暮らすのは健康に良いとは言えないと思います。

アクアリウムの水草育成用途に限れば、本来、蛍光灯で実現できた照度よりも、さらに高照度を必要とするし、私のように紫の色を出すLEDを好んで使用する人もいるので、無害だという主張をすることは全く無理があります。

しかし「光を直視する必要がない」ので、ライトをフードなどで、直視できないようにすることが最も大事になるはずなのです。アクア用ライトはシェードやフードはあってもオプションなので自作を推奨します。

大げさに撮影してみました。まぶしさが伝わるかな?

実際はビームランプやスポットライトは散光型スリムライトよりも眩しく見えない構造ですが、それでも注意が必要ないとは考えていません。

100均のレンジフードを100均ハトメパンチで穴あけして紐でアングル台に括り付けただけのものですがまったく直視できなくなりました。

フードをつけると眩しさがなくなって水槽の中がより際立った美しさに見えますよ!







発色、人の目にとっての【スペクトル】(何色を足しているか)
普通の白色LEDは演色性が70以上と高いので見る人によっては気にならないけれど、(現在は東芝高演色タイプなど、機種により改善されていますが)青と黄色以外の色は薄く見えることもありえます。



混色じゃなく原色を足したライトを選ぶ
そこで追加購入などのときに、気に入った色を足してあるかが購入時の焦点になります。


RGBマルチチップというものはワンチップの中に3原色の発光体があるので鮮やかです。

色の混ざりやすさはLEDの集中具合できまる
水槽写真をいろいろ検索すると、多色の分散配置な平型のLEDだと(レンズがある場合)混ざりがよくないようです。RGBマルチチップは別。

スポットLEDは散光レンズと集中配置のおかげで、格安品でない限り、ほぼ気にならない程度には光が混ざります。

光の混ざり方が不安な方はビームランプか、スポット型のメタハラがいいかも。メタハラは水草水槽向き?【スポットもあるよ】をご覧ください。

パナソニックのLED電球などは新しい世代は蛍光体を2種類つかったりして3波長にしているようです。ただ、パナソニックの場合ビームランプまでも3波長になっているのか、公式発表では確認できません。屋外用なのでスペクトル(蛍光体の構成)が違うかもしれないです。

というわけで銘柄によって緑の葉がきれいになりやすい、赤い葉がきれいになりやすいなど癖があり、照らされる赤い葉にも緑や黄色の色素が少し隠れていて、照らすLEDのスペクトルによっては汚い茶色に見えてしまうこともありえます。

ただし茶色に見えてても、もっと灯数を増やせば成長して赤の色素がさらに増えてきて茶色を脱出するかも。



風通しの悪いソケットはだめ
密封形だったり、リフレクターや覆いがあってソケット内に熱がこもりやすいものは、LED素子やライトの根元にある電源パーツが熱で劣化するかも知れないので気を付けてください。



まとめ
・赤系水草のだいご味はいかに光を当てて色揚げするか

・水槽を鮮やかに鑑賞できるタイプのLEDは、RGBWタイプか黄色波長カットタイプ、もしくは黄色蛍光体ではなく緑プラス赤蛍光体を使ったタイプ(新しい世代のLED電球)の3種がみられる。
・深い水槽の水草育成にはレンズを使用したライトを使うべき

・白熱電球タイプのビームランプの光ムラを改善したものがLEDタイプのビームランプ

・LEDの利点はレンズを付けても光ムラができないこと、低消費電力、長寿命ただし故障しやすいので修理可能なメーカーを選ぼう

・色温度(K、ケルビン)で光全体の青み、黄色みを計れる

・成長の遅い水草は日影にして成長の早い水草に光をあてコケの養分を使いきってもらう

・ガラス面やパイプなどに光をあてないことでコケ防止可能



あとがき~好みのライトをさがそう
ここまで辛抱強く読まれた方は、赤系水草を売っているショップの展示がなぜ陰性水草レイアウト中心なのか、どんなライトがご自身の水槽事情にあっているか、ご理解いただけたのではないでしょうか。

この記事を参考にしていただければ、レイアウトの自由度が広がり、メンテナンスの頻度が減り、光色や水草の選択肢が増えるので、個性が水槽に現れ、敷居が低くなって、さらに楽しい趣味になってくるに違いありません。

そうすると仲間も増える可能性もありますね!

長くなりましたがこれで終わります。皆さんの好みにあった水槽照明を探す手助けになれば。
おつかれさまでした。

CCFLの実情についてと、
メタハラとの比較は別ページとしましたのでご覧ください。





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