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食いそうで食わない?

98年からアクアリウムを始めました。熱帯魚と水草そしてエビとカエルとラムズのコミュニティタンク(混泳水槽)で試行錯誤した結果をブログ記事にしています。

脱窒は普通に起きている!?エロモナスと泥と硝酸塩の関係

当記事は、熱帯魚飼育ハウツー本の通りに管理しているのにうまく行かない人には特に参考になるかもしれません。

神経質な人、綺麗好きの人、完ぺき主義の人が陥りやすいかも。

 そしてずぼらな人ならもっと楽に管理出来る可能性も。(2016.9.6改定)



とくにエロモナス病がでまくる水槽にあてはまる
飼育水が白濁してもいないのに生体のポツポツ死が続く、もしくはエロモナス系の病気がでやすくて薬でも直らず困っている方で、外部フィルター完備の淡水小型魚中心の水槽向けの記事です。



まず平たく言うと、

1底砂に溜まった泥や、生物ろ過材に溜まった泥を掃除するのは出来るだけ避けましょう。
2硝化バクテリア温存のためではなく脱窒のため。
3回りまわってエロモナス病の予防につながります。


掃除するのは詰まり過ぎて流量低下が問題なときや、アンモニアの臭いが出るような場合、年月が経ち藻類が出すぎる場合など、状況を見て不定期にやるものと考えたほうがよいかもしれません。

物理ろ過マットはいつでも掃除交換可。




これは私独自の飼育経験に基づく意見です。

脱窒のために泥を掃除しないというのは、アクアの常識とは異なりますが、こちらの考え方の方が当水槽でのアンモニア、亜硝酸、硝酸塩の計測値とも合致するし、エロモナス病の出方と合致します。

決して今罹っている病気を治すわけではないですが、再発防止の効果はあるかもしれません。

エロモナス病の原因は
おもに日和見感染

エロモナス病の原因は、よく底床を掃除して泥が舞うと、泥にいるエロモナス菌がくっついて罹るといわれます。

しかし、本当のエロモナスの原因は魚の体力が落ちることです。

エロモナス菌は普通に水槽にいますが、毒性、伝染性が低いので、魚が体力を消耗しきらないと罹りません。

日和見感染といいます。

すでに体力が落ちきっているので薬でも治りにくいのです。

伝染して見えるのは水質が悪化しているため、すべての魚が消耗してくるために、つぎつぎ発病し、伝染したように見えただけ。

本当に伝染性の高いカラムナリスでは、逆に薬が効きますし、元気な魚ばかりなのに1両日中に水槽全体に蔓延してしまうこともありますが、エロモナスはそこまで早くありません。伝染病ではないのです。

だけど泥掃除で
エロモナスが出るよ

泥掃除をすると、エロモナスに罹ることがあるのは確かですね。

体力低下の要因が
泥掃除に関連してるだけ

現在の飼育方法だと魚の体力を低下させる要因はほとんど対策できてるものですね。

フィルター完備ならば1ヶ月もすれば、アンモニア、亜硝酸とも検出しないレベルになります。

水温変動による白点病や、餌の残りと怪我による水カビなども、見てわかるので初心者でもすぐに解決していくでしょう。

だから悪化要因は硝酸塩濃度が高くなってしまうことくらい。

硝酸塩は魚の腸内で一部が亜硝酸に還元され、亜硝酸が血液のヘモグロビンから酸素運搬機能を奪ってしまいます(メトヘモグロビン血症)。

それで酸欠となり体力を消耗してしまうから、感染力の弱い菌にやられるのです。だから泥を被ろうが関係なく病気にかかってしまいます。

硝酸塩試験紙の説明を見ると、淡水の生体は換水前の硝酸塩濃度が50mg/ℓ以上で要換水ってことに。

100mg/ℓ以上でも大丈夫なことが多いらしいけど、病気がよく出る水槽だと換水後でも250mg/ℓを越えているかもしれません。

この硝酸塩濃度の異常な高さが、泥掃除と関連しているのです。

掃除と換水してるから大丈夫なはずなのに
という誤解

病気に勝てる体力を取り戻す方法は、硝酸塩濃度を低く押さえ込んでおくことは前提条件になり、そのための換水作業をするのが通例だから、病気が出て困っている方なら十分やってることでしょう。

普通の換水なら大丈夫のはずだが
泥掃除もやるとダメになる

泥に神経質にならないような「普通の管理」をしていれば硝酸塩濃度が高くなりにくいようですが、ポツポツ死、エロモナス頻発などしている水槽ではとても高くなっている可能性が高いです。6in1 試験紙などで硝酸塩濃度を測ってみましょう。

で、こういうときは換水量と回数を増やすと解決するのかというと、そううまくいかないどころか、ひどくなっていく理由が。

「エロモナス菌退治だ!」とばかり泥掃除を徹底してしまうと余計、硝酸塩濃度が上がりやすくなるのです。

そして、このときにエロモナス菌のいる「泥を舞い上げたせいだ」と誤解することになります。

菌を殺せ作戦は効果なし
病気がよく出ていた時期に、グラム陰性菌を殺す薬(エロモナス菌を殺す)を規定量いれて薬浴しましたが効果なし。

対応に困って、底床内でエロモナス菌と競合しそうな乳酸菌や納豆菌やイースト菌を放り込んでみました。

エロモナスの勢力と競合させて減らす試みなんですが、全然効果ありませんでした。

当水槽では、この方法でも病気が出続け、一度発病すると助かる魚はいなかったのです。

だから菌を減らしても効果は無いといえるのでは。

安定水槽では、
泥をかぶってもピチピチの魚たち

ですが安定している水槽では、掃除で多くの雑菌とともにエロモナスがいるはずの泥をかぶったところでどうということはありません

魚たちは泥の中に顔を突っ込んで微生物をあさって元気一杯だったりします。

当水槽でも脱窒を本格的に始めた2014年春ごろからはエロモナス発病する魚がいません。

メンテのために写真の皿をひっくり返して泥が舞ったのに1週間経っても2週間経っても誰も病気になりませんでした。

「水槽が立ち上がって」ても「不安定」
エロモナス病にかかる「不安定な水槽」とは

硝化バクテリアが増えてアンモニアと亜硝酸が計れないほどに「立ち上がった」状態でも、なぜか病気が出る。毎週、水を替えて、水温にも気をつけてやっているのに。

これが「不安定」「調子を落とす」と言われる状況。原因がわからないので漠然とした言葉に。

反対語は「安定」「調子が上がる」。当然こちらも原因がわからない。

実は脱窒のあるなしが関連していた
ここからが私の経験から出た考えの本題になるのですが、「安定している水槽とは脱窒している水槽だった」ということです。

「不安定」というのは、ろ過能力に対して、過密飼育でもなければ餌のやりすぎでもないのに、硝酸塩濃度の上昇が早すぎて換水していても十分下げられない状況。

泥掃除して通水性が高まると、硝化、物理ろ過とも高効率で機能するので、水は透明

なのでなかなか気が付かない。とても汚れた水だとは思えない。

でも水の臭いを嗅ぐと独特な臭いが…。

脱窒していない水槽は不安定。

しかし通常の飼育方法で脱窒はありえないと考える人がほとんどなのでは??私もそうでした。

ところが脱窒なしでは説明が付かないことばかり。

換水より脱窒のほうが影響大だった
泥掃除してしまうと、3日ペースで換水しても間に合わないほど硝酸塩が多量にたまってしまう、当水槽の硝酸塩の実測値を平たく言うとそんな感じ。


図は全換水して硝酸塩濃度を減らしきった状態から、どうなっていくかをあらわしています。

実線は換水だけした場合で、点線は換水のときに泥やフィルターの詰まりをついでに吸い出した場合を想定しています。

点線は、脱窒抜きで生体と餌がつくる硝酸塩の量に近い値となり、「線と点線の間のスキマ」は、脱窒作用の「硝酸塩除去能力」を示していると言ってもいいでしょう。

詰まりを取れば酸素が通りやすいが不安定化
フィルターや底砂の泥掃除をするとエロモナス病が出るのは、撒き散らした菌を魚が被ったからではなく、脱窒作用を止めてしまったから。

逆に泥なんて被らなくてもエロモナスにかかります。

しっかり泥を吸い出したために、底床深くまで水の通りがよくなり、酸素が供給されて脱窒作用が止まってしまう。

すると硝酸塩濃度が急激に上昇して、換水が間に合わなくなり、魚の体力が落ちるのでエロモナスやポツポツ死になるという考えの方がしっくりきます。

逆にエロモナスにかからない安定水槽は、脱窒できているから硝酸塩濃度が低いし、泥を被っても病気にならない。

たとえ週1ペースで換水しての安定であっても、それは脱窒のおかげ。  

がんばるほど点線になる
私のメイン水槽は、意図的に脱窒した例外時を除き、15年ずっと点線の状態でした。これが「不安定」の状態。

しかし、普通は実線の状態になるとされています。これが「安定」の状態。

その違いは、泥を抜くか抜かないか、フィルターの掃除の違いではなかったと。

調子が悪くなるほど、「有害でエロモナスの繁殖している泥」を抜かなければと躍起になって掃除して、点線の状態になってしまう。エロモナスでお困りの方は心当たりありませんか?

泥を抜くと点線の状態になることは、すなわち泥が脱窒に寄与していることの表れです。

エロモナスで困っている方は硝酸塩濃度を、「換水前」に測ってみましょう。

脱窒とは?
水槽内に溜まっていく硝酸塩を、脱窒菌が窒素ガスに分解して飼育水から逃がす作用のことです。
 
この効果は「換水よりはるかに強力」と現在では思っています。

換水は一時的効果でしかなく、脱窒は永続的に効果があり、しかも強力。

この脱窒作用を起こす菌を脱窒菌といいます。

嫌気(けんき)とは水中の溶存酸素が少ない状態、好気(こうき)とは酸素が多い状態。

脱窒は条件が難しいのでは??という誤解
脱窒菌は、酸素があるほうが調子いいけど、酸素が無くてもまあやっていける、という通性嫌気性バクテリアの一種で、酸素が無い環境になってくると、なんと硝酸塩を呼吸に使うようになる奴らです。

おかげで最終的に窒素ガスにして水槽外へ排出してくれます。

しかし脱窒するにはおもに3つのハードルがあり、熱帯魚のハウツー本を読むと基本的に水槽内では脱窒はできないものと考えられていたようです。

1・菌はいるのか
2・炭素源になる物資が必要
3・酸欠が必要

そこで「嫌気層を設けて、炭素源を常に添加してなければ、脱窒が起こるはずは無い」と考えるのが普通でした。

しかし2014年現在、それは「逆だ」と実感しています。あとで書きますが、逆に嫌気層だとうまくいかなかったのです。

1・菌はいるのか
まずこいつらは水槽にいるんでしょうかと。

しかし硝化バクテリアだって2週間空回ししただけで湧いてきます。下手なバクテリア剤は逆効果。

これは脱窒菌にも当てはまるのでは。

酸素のある環境を好む菌だった
ややこしい話、脱窒菌は酸素が好きな生物です。

だから硝化菌と同じように酸素のある環境に湧きます。通性嫌気性細菌といって、酸素がなくなっても活動できる奴だけど、酸素があると死滅する菌ではないのです。

酸素がなくなってくると硝酸塩呼吸に切り替えて、その結果脱窒します。

菌の分裂速度は、亜硝酸を硝酸塩に変えるバクテリアより速いといわれています。

温度は独立行政法人産業技術総合研究所のページによると25度から30度が適温で、低温になると菌の活性が下がるとの情報も。ただ、低温になるほど魚に与える餌も減らすのが普通なのであまり気にすることはなさそうですね。

2・炭素源を与える必要
炭素源となる物を脱窒菌に与えなければなりません。

魚の餌も炭素源が入っている
脱窒菌は炭素を含む有機物を食べるらしく、砂糖、アルコール、生分解性プラスチックなどが脱窒効果があることで有名です。落ち葉でも脱窒するという記事も。

しかし材料にこだわらなくともWIKIPEDIAの脱窒ページによると、メタノールに替えて廃水中の有機物(BOD成分)の利用が広く行われ とあるので、普通に熱帯魚の餌も脱窒に利用するので、基本的に新たに炭素源を入れなくても脱窒がおきていても全然おかしくないのです。

下水処理の技術として脱窒を行う場合は、必要に応じ、有機物としてメタノールを補給 ともあるので、よほど硝酸塩濃度に困ったときだけ、メタノールの代わりに砂糖を少量添加する程度にするのが妥当となります。

人工飼料のC/N比
人工飼料のつなぎに小麦粉がよく使われているのは有名ですね。小麦粉の成分は炭水化物といって炭素と水素の化合物です。

ただ小麦粉を消化できる魚類は少ないようで、どじょう養殖研究所の餌の場合、消化の負担を考えて小麦粉を使っていないといいます。

これを食べさせていると白い糞をぶら下げることがなくなり、魚の状態がいいのですが、もしも炭素が入っていなかったら脱窒が止まってしまい、大変なことになりそうです。

しかし成分はどじょう養殖研究所の水源Bでたんぱく質が44%以上で、これは炭素(C)と窒素(N)が入っています。

各人工飼料のメーカーは餌に含まれる炭素と窒素の割合(C/N比)を調整したりして水が白濁したりしないように苦心しています。

これは後々に示すとおり、炭素源がありすぎるとエライことになるからですが、逆に考えれば、ちょっとでも炭素が含まれていれば脱窒効果があることが"垣間見えている"のです。

効果ありすぎ!砂糖投入!
うちの水槽では、砂糖を小さじ半分添加して数日後、硝酸塩濃度を測ったら大幅に下がっていました(テトラテスト6in1で一分後に比色)。しかも1~2ヶ月もちます

水130リットルに対してたったこれだけ!

去年250ppmを振り切る高濃度だった硝酸塩が50以下になってしまいました。

ただ水草の生長が遅くなったりするし、魚に餌もあげているのであれば、100リットルあたり小さじ半分/月でも入れすぎなのかも。

カエルさんも逆立ちしてワンと言いそうなほど拍子抜けの簡単さ!

3・酸欠が必要
一応まだ一つ条件が残っています。

酸素を必要とする生体と硝化バクテリアたちに酸素を供給しながら、水槽内のどこかに意図的に酸欠を引き起こすのは難しそうですよね。

あらかじめ嫌気層を設置すると
うまくいかない

酸欠を引き起こすには嫌気な場所をつくればいいのでは、ってことで、嫌気層を設けるというアイディアがずいぶん前からありました。

うちでも外部フィルターを2個直結させて、1つ目で硝化バクテリアに酸素を消費させ、2つ目のフィルターが酸欠になるのを利用してみましたが、安定して脱窒するどころか水面からアンモニア臭が出てしまいました。
 
 これが脱窒は危険とされる根拠だと思います。私も当時は脱窒は危険なものだと思ってしまいました。

同じ通性嫌気性菌でも大腸菌などダメな奴は嫌気環境だと亜硝酸をアンモニアに戻してしまいます。

しかし危ないのは大腸菌などであって、脱窒菌の生態をよく把握せず、別の菌が台頭しやすい環境を作ってしまっただけなのです。

脱窒菌は、硝酸塩呼吸よりも酸素呼吸の方が効率がいい、ということは嫌気環境ではあんまり増えないと考えられます。だから嫌気層を作っても効果が出ないことがある。

嫌気層だけでなく、底砂を厚くしすぎたり、水がまったく通らない部分というのは、同じ結果をおこしかねないと思われます。

しかし脱窒菌は酸素が十分あるときは酸素呼吸をするので脱窒しません。これが脱窒は不可能とされるところですが…

嫌気層がないから
脱窒しないとは限らない

ではどういうときに脱窒するかというと、微生物同士の酸素の奪い合いがある環境だと、脱窒菌は進んで硝酸塩呼吸に切り替えて脱窒するようです。

Wikipedia脱窒ページから引用すると脱窒菌は多様な菌種と共存しているため、溶存酸素濃度がかなり高くても(ある研究では6.0mg/l)生物相内の濃度勾配により脱窒が生じる事が確認とあります。

酸素を使う微生物の塊≒泥
あぶれた個体が脱窒
フィルターを止めたら水草から出る気泡が目に見えて増えるほど、硝化バクテリアは酸素を消費します。

脱窒菌と硝化バクテリアその他大勢がごちゃ混ぜになったものが「泥」だとすれば?

泥という普通の環境で、脱窒菌と硝化菌は我先に酸素呼吸をしている、だからあぶれて酸欠になる菌がいてもおかしくないのです。

たまたま脱窒菌はしのぐ方法をもっていて、しのいでいるときは脱窒している。そう考えたら自然ですね。

他の菌種はしのぐときに亜硝酸やアンモニアに還元してしまうので止水とか嫌気というものが危険視されます。しかし亜硝酸に還元したところで、脱窒菌がいれば脱窒菌にバトンタッチされ、窒素ガスに分解される経路もあるようです。

泥で通水性が落ちた場所は酸素を確保しにくい
泥にいる脱窒菌は、単独でいる脱窒菌よりも、酸素の確保が難しくなっていることでしょう。

つまり泥のような、微生物の多様な環境だと、酸素を奪い合うことになりやすく、必ずしも嫌気層を設けなくとも脱窒するというわけ。


なーんだ簡単じゃん。泥が溜まってればいいんだから!



ここで泥掃除と硝酸塩濃度と病気の接点が見えてきたでしょう。

泥が無くなってしまうと、菌がいくらか残っていても、酸素が通りやすいので脱窒をやめてしてしまうわけ。

よくベテランの方が言う、泥をあまり掃除しないほうが安定する、という経験則はたしかに理にかなっていたのです。


脱窒菌が脱窒するには
泥という環境が適している

泥を吸い出してしまうと脱窒菌も減りますが、脱窒菌は硝化菌より分裂が早いので一週間程度で十分な量に増えます。

酸素が足りないと酸素呼吸から硝酸塩呼吸に切り替えて活動を続け、その結果、気化しにくい硝酸塩が気化しやすい窒素になって水槽外へ排出されます。

しかし泥が減ると通水性が高まって酸素濃度があがり、残っている脱窒菌が酸素呼吸に切り替えるため脱窒しなくなってしまう。

こう考えれば、掃除のしすぎで病気やポツポツ死が出ることや、普通の管理で問題が起きないことなどの説明がスッキリつきます。

ただし、泥は泥でも、「好気的な部分に堆積した泥」でないと、上記の嫌気層と同じように、脱窒菌以外の菌がアンモニア還元をしてしまうかもしれませんね。




コケが沢山出る、フィルターが詰まるなどない限り
泥を掃除しても得はなく
害がある

自然界には泥が多量に溜まっていますが、そのせいで野生の魚が病気になっているのを見たことがあるでしょうか?

ワイルド採集個体の方が養殖ものより強いという認識でありながら、不安定な水槽に入れると寿命の前に死んでしまう。脂の乗り切った年齢あたりで死にやすい。

「泥は硝酸塩そのものだから」もしくは、「エロモナス菌の温床だから」、「吸い出すほうが良い」という情報を、私も長らく信じて掃除してきましたが病気予防効果は実感できず。

というより逆効果だった現実。

このことの説明が、2014年の管理方法変更でやっと確認できました。

もちろん「泥掃除と換水は別の日にするべき」というハウツー情報を見たことはありました。その方法のほうが、泥を出来る限り掃除すべきという方法よりも安定することを今は理解できます。

しかし、硝化バクテリアがダメージを受けるからという、実測値との辻褄があわない説明だったので信用していませんでした。

掃除をしてもやめても、いつ測ってもアンモニアと亜硝酸は無検出だったのです。

なので泥を掃除したせいで水質が悪くなるはずはないと考えてしまっていました。

さらに魚の不調を受けると泥の溜まりすぎだと考えて掃除するが、硝酸塩が増えて魚がまた不調になっていく悪循環に陥っていたのです。

皆さんも、調子が悪くなるほど、よけいに泥掃除に追われていませんか?

フィルタが詰まって止まったり、泥で見えなくならない程度に掃除ペースを決めなければいけないのです。

蛇足な追記:
泥と一緒にリンを取り出す
コケ対策

窒素はガス化できるが、リンなどの藻類が求めるミネラルはガス化できないので、対策は簡単ではありません。

活性汚泥法というリン除去技術では、泥の中の微生物にはリンなどのミネラルを溜め込む生物もいるとされ、泥を取り出すことでリン除去になるという理論があります。

ただ当水槽でのコケ防止効果は未確認。

当水槽だとハイグロフィラを沢山増やすとコケが減ります。減るというか藻類の成長が止まります。成長スイッチの入った水草はリン固定をしていると考えられます。

だからリン固定能力のある微生物が増えているであろう泥を適度に吸い出すとコケ防止要因になるのかも。

更に追記:
嫌気状態だと溜まったリンが
イオンとなって水に溶けて
コケる

餌から分解された水溶性のリン酸イオンはコケ増殖の原因ではありますが、水中の鉄イオンとくっついて不溶性となり、底砂に溜まるとか。

底砂が嫌気化すると、嫌気性菌が底砂に溜まった不溶性リンを分解してリン酸イオンにするから、水中にあるコケがリンを吸収できるので、増殖するという記事も見られます。

だから底砂は厚くしすぎないほうがいいかもしれず、を溜めるのも、ある程度の厚さまでに収めたほうがよさそうです。



魚の酸素は必要十分な量で済ませ
水流を作り過ぎないほうが

またフィルターの水流を強いものにしたり、エアレーションを追加して通水性を徹底確保すると底床への酸素供給量が多くなり脱窒しにくくもなります。

激流の魚でもない限り、弱い水流で水面を揺らす程度で酸素は十分足りることが多いようですから、水流を減らしてみたほうがいいかもしれません。
線引きした部分は嫌気層と同じ発想であり危険なので削除したいところです。水草の光合成が止まった夜中によく状態を確かめましょう。
 
15年間、好気ろ過中心、
脱窒阻害で失敗続き
泥温存であっさり安定!

15年のうち近年は、比重が重くて泥を吸出し放題の大磯砂に、強力ライトで水草多量という水槽環境で、コケが出ない管理には成功。

しかし生体のほうはまったくダメダメで、水流確保と泥掃除で底床を好気的に保つ管理を続けていたにもかかわらず、エロモナス病に罹る魚が後を絶たなく、逆になんらかの方法で脱窒を促進するとぴたりと病気が出なくなる(嫌気層だけは失敗)という、特殊な経験を何度かしてしまった末の結論です。

飽きて放置したりで安定してきても、まめに管理し始めるとまた病気が。

写真の餌受け用の皿の下にも底面フィルターを仕込んでブクブクやっていたほど、通水性を気にしてセッティングしていました。

通水性をとことん確保してしまうと良くないとしか言いようがありません。

簡単に安定!
底床の泥の中に普通にいた脱窒菌
水槽の維持期間15年ほどのうち、エロモナスで魚が調子を崩さないのは脱窒促進を本格的に始めた今年2014年と、いたずらで砂糖水を少し入れていた数ヶ月と、まだデニボールが売っていた99年、飽きて長期間放置していた頃(半年~1年換水ペース、餌少々、フィルターが詰まったときだけ掃除)だけです。

病気ばかりの熱帯魚飼育はもちろんあまり楽しくなく、15年も続いた理由は、例外的にご長寿さんがいる(15年余裕で生きてる)ので全滅したことが一度もないためです。

 この二匹。こういう不思議があるからやめられません。

ご長寿さんがいるにもかかわらず、硝酸塩値の検出限界250以上で、先代のGHDグラミーの2匹全滅で始まった2014年。

2月からは思い立って砂糖添加を開始して泥掃除をやめ、いたずらでなくきっちり計ることに。毎月計って硝酸塩0~25。なんと去年の10分の1以下!

以後はエロモナス病で落ちる魚は一匹もいません。拍子抜けするほど効きました。

以前、デニボールや砂糖を入れたときも低くなりましたが、測り間違いだと思い込んでスルーしていました。

やっぱり硝酸塩濃度が低くなるのは間違いないと確信。

砂糖の量は毎月100リットルにつき小さじ半分。これでも多すぎるかもしれません。
去年と比べて水草の生長がかなり遅くなっています。

月数回換水もしていますが、去年も同じ換水ペースで硝酸塩濃度が全然違うので関係ありません。

普段の泥掃除は表層だけにしよう
どうしても普段から泥を掃除したいなら残餌がカビやすい表層だけがいいです。餌もスネールがたくさんいたらカビるまで残らない好バランスになることも。

溜まりすぎたらどうなるかわからない
ただし溜まりすぎて完全に嫌気化した部分は、上記のリン酸イオン放出でコケが増えたり、ほかの嫌気性菌が繁殖して脱窒しなくなることも考えられるので、全部温存すればいいというわけではないでしょう。

とはいえ、自然界の水域がそれほど硫化水素の気泡ボッコボコでないことから、そこまで溜まりすぎを気にしなくても?

水草の窒素固定は、病気を予防するほどの効果なし
大磯砂に成長の早いハイグロフィラ多量、泥を吸出しまくりという当水槽のこれまでのメンテナンスでは、硝酸塩が多量に検出できたので、水草多量でも硝酸塩はあんまり減らせないと考えられます。

去年は水草多量、泥掃除ありで、コケなし硝酸塩250mg以上、まるでエロモナス病の巣窟のようでした。
 

テトラテスト6in1の示す高濃度な値(250ppm超)と水槽内の見た目、どっちを信じるかで、きれいな見た目を信じた結果、このグラミィ2匹を失ってしまいました。隣のオトシンネグロは生存。微妙に増えていたビー全滅。

しかし砂糖を添加して泥掃除をやめると、あっさりと0~25mgに減り、エロモナス病も出なくなりました。

だから水草には硝酸塩濃度を減らす力は十分ありません

水草を植えると安定する場合は、根元の泥を掃除できなくなることが脱窒量を増やす大きなファクターだと思われます。

私は、これをうまく吸い出す無駄テク(笑)に執心していたようで…。

しかし水草は、ミネラル固定によりコケ防止効果あり
 だけど水草にはコケを減らす力があります。

コケと生態が似ているので、ミネラル分を奪い合うのです。当水槽でも頑固なアオミドロがあっさり消えたりしています。

成長が早い陽性水草を沢山うえて、スポットLEDビームランプで強い光を当てて、硬度が適合し、養分が十分そろっていれば。


コケ防止は水草が専門、魚の病気予防は脱窒菌が専門です。

逆に、水が澄んでいてコケが少ないから病気が出ない水質だとは限らないのです。

脱窒を避けようにも避けられない
ソイルの水草水槽
実は脱窒菌のおかげで安定
深くまで泥掃除が出来ないソイルの水槽は泥がたまりやすく、そこで勝手に脱窒が起こってしまいます。

ですからソイルの水草水槽に限っては、「脱窒は危険だから避ける」など到底不可能です。

水草が多いから水草に吸収されて硝酸塩が少ないのだと誤解されていますが、水草ではなく脱窒菌の作用のおかげ。
 
そのようなうまい状況ではコケの出具合で換水ペースを決めるのが妥当ですね。

だけど、もし魚がポツポツ死んでしまう場合は硝酸塩濃度を測ってみたほうがいいです。うちのように水草水槽でも条件が整わないと硝酸塩が高濃度にたまることがあり得るからです。

逆に知らずの内に脱窒を阻害しているセッティングや
メンテナンスがエロモナス病をよびこむ
失敗続きであったうちの場合が一番悪い例だと思うので、とても参考になるはずです。残念ながら。

底砂は泥を吸い出しやすい大磯砂で、魚の調子が悪くなればなるほど、徹底して吸い出していました。

本当に泥がエロモナス病の温床だったり、硝酸塩の正体なら全部吸いだせば調子があがるはずです。しかし効果はまったく逆で調子が悪くなる一方でした。

加えて底もの用の餌を、底砂に置いた皿で受けるために残餌がほとんど無く、だから泥がたまりにくいかもしれません。

さらに底面吸い込み式外部直結なので、底面で大きな異物が取り除かれるから、外部フィルターには物理ろ過マットを入れていませんので流量低下なし。

このように汚れや泥が溜まりにくいセッティングに気を配っていたせいで失敗続き。

高性能のはずなのに
詰まってきてから本気出す

不思議な外部フィルター
外部フィルターは、リンク先の図のようにバスケットが小分けになっていたりと、目詰まりが起こりにくい工夫があり、フィルター内の硝化バクテリアを十分活用できる高性能フィルターです。

ろ材容量の割りに硝化が強力なフィルター。

ほかにも長所がたくさんあるのでこれからも使い続けますが、ひとつ困ったことが。

外部フィルタはよく「詰まってきてから本気出す」といわれます。

「詰まる前は不安定になりやすい」という風評がある。高性能なはずなのに。

本気出すもなにも、アンモニア、亜硝酸は1ヶ月もすれば検出できなくなり、硝化サイクルはしっかり立ち上がります。

ろ材バスケットが硝化性能を高めるが
脱窒しにくい

私は通水性向上のための「ろ材バスケット」の性能のおかげで、目詰まりが起こらないのが原因で硝酸塩過多になりやすいんじゃないかと思います。

ろ材をバスケットで小分けにして通水させているから、たとえ脱窒菌が普通にいても、酸欠が引き金である脱窒が起きるほど通水性が落ちるまで時間がかかってしまう。

すると硝化はすごく強力だけど、硝酸塩が処理できないので溜まりやすい。

たとえば物理ろ過マットなど目の細かいものが詰まったりして、通水性が落ちてきてようやく脱窒するのでしょう。脱窒が始まると水槽が安定するので、外部フィルターが本気を出したように見えるんじゃないでしょうか。

文字通りのパワーフィルター
さらに、ある外部フィルターは日本仕様だけがワンランク大きいサイズとなっており、日本メーカーの外部フィルターもそれに習っているだろうと思われます。

だから日本に限っては流量が大きすぎるので、底砂へも酸素供給量が増えるから、底砂での脱窒までが控えめになってしまう。

外部フィルタをわざと詰まらせるのも、別の意味で怖い(嫌気層になってはならない)ので、じっくり泥が溜まってくるのを待ち、それまでは換水頻度を上げて対応するのが常道になりそうです。

ベアタンクに外部フィルタだけという、泥が邪魔になる組み合わせだけは避けて、底砂を厚めに敷くぐらいの用心は必要かも。

なぜかド安定な上部フィルター
反対に、目詰まりがおこるのでろ材容量の割りにろ過能力が低いはずの上部フィルターは「ド安定」なイメージがあります。

ポンプが長持ちしないとかライティングの邪魔になる、小虫が湧く、臭う、放置すると詰まって水が溢れるかもしれないなど欠点は大きいものの、生体中心でいくならこっちの方が明らかに安定します。

セッティングも簡単なので初心者に勧めるなら私は上部フィルターにします。

曝気のおかげ?
安定の理由は「曝気できるので好気ろ過(硝化)が効率よく進むから」という意見も見たことがありますが、外部フィルターも水面に水を流していれば、酸欠が防がれてしっかり硝化できるので当てはまりません。

うちではろ過能力が立ち上がって以来、亜硝酸を検出したことが一度もないですから。

やっぱり上部フィルターは目詰まりのおかげで脱窒しているから安定するのでしょう。

特定の場所だけ通水してしまい、容量のわりに硝化能力が落ちる問題として知られています。チャネル現象というそうです。

目詰まり前提の「逃がし設計」
横長で小分けされていないから安定しやすい

上部フィルターは、濾過槽が詰まってもモーターを止める手立てがないので、目詰まりが起きてもすぐ隣で水が通るような余裕をもった作りです。

詰まって水が溢れださないように大き目の通水スペースを確保しているけど、ろ材を100%活用できないというわけですが、これが逆に脱窒しやすい安定要因でもあるのではないかと。

私の友人の水槽も上部フィルターでしたが、換水はサボリ気味だったにもかかわらずエロモナス病が出ているのを見たことがありません。

現在は手放していますが私のサブタンクであった大型怪魚水槽も上部フィルターで、やっぱり病気知らずでした。ベアタンクだったけどレイシーの大型上部フィルタ内部には泥がいつも一杯溜まっていましたが、濾過槽が大きすぎて掃除しにくかったので、脱窒阻害を免れたようです。

反対に、小型魚と水草と外部フィルターのメイン水槽は、場合によっては3日ペースで換水していたのに、エロモナス病が毎月目白押し。

やっと考え方を変えることに
というわけで二度三度と同じ失敗と成功を繰り返して、頭が硬い私でも考え方を変えるしかなくなりました。

いままで私の頭を占領していた考え「脱窒が起きるはず無い」から「硝酸塩のことではない」という論法は、もはや思考停止でしかなく、2014年から改めることにしたのです。

頭突き自慢の人にタイマンで勝ったぐらいの硬さだから15年という時間がかかってしまいました(特に自慢ではないのに!)。

餌に入ってるはずの炭素源
砂糖を入れると
脱窒促進される3つのワケ

1.ちょっと足りない
魚の人口飼料にも繊維質や炭水化物という形で炭素が入っています。

しかし硝酸塩をすべて気化させるのに十分足りるわけではないようです。

メーカーの工夫により、餌を入れても白濁させないためにC/N比を少なめに抑えられており、無換水で維持するには足りない程度になっているようです。

だからちょっと足すとバランスが向上すると思われます。

泥さえあれば普通に脱窒することはまだ知られていなく、逆に炭素化合物過剰だと白濁するなどよくないことだけは知られているというわけです。

2.増殖して酸素の奪い合いになる
脱窒菌は普通は酸素を使って呼吸します。

炭素源という餌をもらった脱窒菌は、飢餓状態のときよりも活動が活発になります。

個体数が増えれば酸素を消費する量が増えます。

だから泥の中央では酸欠になる個体が増え、それらは硝酸塩呼吸に切り替えるので、脱窒する量が増加するということではないでしょうか。


3.炭素源を蓄える可能性
高等動物でないからといって栄養を蓄える機能が無いとは限りません。

泥の中にはリンを蓄える微生物がいることがわかっていて、泥ごと排出することで水中のリンを取り除く下水処理工程があるぐらいだし、糖を蓄える微生物がいてもおかしくないのです。

もし脱窒菌に蓄える機能がなくとも、蓄えた微生物が死んで分解されたり、下手すれば捕食したりするかもしれないし、排泄物から供給をうけているのかもしれません。

つまり一回の炭素源投入で、微生物の生態系全体では、肥え太って脱窒促進効果が持続することも、理論的に考えられなくは無いのです。

効果は高いが入れすぎ注意
この三つの理由が考えられるので、月に少量の炭素源追加で強力な脱窒効果が出ているのだろうと思っています。

逆に「毎日添加するのはハイリスク」だと思います。

毎日入れると一ヶ月のトータルでは何倍も多くなってしまいがちだし、手元がくるって多量に投入しかねません。

すると脱窒菌やその他大勢が増えすぎて逆に水槽環境がやばくなることもありそうです。

硝酸塩が枯渇してしまうと、生物層が変わって水質がおかしくなってしまうかもしれません。(硫黄臭を出す硫酸還元菌などが増えたり)。

また普段から投入している「魚の餌という炭素源」をしっかり計算に入れないと、バランスが崩壊してしまうのは目に見えています。

飼育水の白濁はまだいいけど、増殖したバイオフィルム(やコロニー)がパイプ内径を圧迫して流量が低下したり、硝化菌のためのろ材スペースも圧迫してアンモニアが処理できなくなるかもしれないのです。

実際に、砂糖で脱窒する話題の掲示板にはそういう報告がたくさんありました。

追記:泥が少ないと砂糖を入れても
脱窒促進効果は出にくい
2015年1月、1年ぶりに外部フィルターのろ材を濯いでから砂糖を入れたところ、数日後も硝酸塩濃度が上昇しているのを確認。

濯ぐ前50ppm→砂糖投入→2日後70ppmほど、PSBのような臭い→換水1/3

流量の大きい外部フィルター(2234)内でさえも、泥が溜まれば脱窒することの裏返しだと思います。

泥が溜まってるとコケの元になるという情報をもとに掃除したのですが、再び脱窒できるまで泥をためるにはかなり時間がかかるうえ、コケが減った感触も今回は無し。

餌を控えても水質浄化につながらない
硝酸塩過多でエロモナスが出ている水槽では餌を控えるのは効果的とはいえないでしょう。

生体は絶食してもアンモニアを排泄します。

脱窒菌の方は餌に含まれる炭素を絶たれてますます脱窒困難になりエロモナスがまた出る悪循環になりかねません。

換水をやめる必要はない
泥掃除さえやめれば脱窒量が増えていくので、換水は可能です。

脱窒量が十分になってくるまでは換水で硝酸塩濃度を調整していけばいいのです。

脱窒効果をうたう市販製品がある

私は未検証ですが脱窒効果をうたう生分解性プラスチック製品やバクテリア剤があります。

砂糖の悪影響が怖い人は試してみるといいでしょう。どちらにしても泥が一定量の厚みでないと効果は高くならないかもしれません。

硝酸塩除去とコケ防止をうたっているテトラ ナイトレイトマイナス
同じくコケ防止効果をうたっているコトブキ ドクターバイオ

今は消えたデニボールだけは使ったことがあります。数ヶ月後デニボールが溶けてなくなるまでは、エロモナスが出なくなり、硝酸塩も検出しなくなりました。2000年初めのことでした。 



普通に起きてる現象を計算外にすると
バランスを狂わせやすい

普通の管理で普通に脱窒しているので、従来の「普通の環境では脱窒しない」「脱窒はしない方がいい」という考え方そのものが底床内の実態に沿っていないことがお分かりいただけたでしょうか。

普通に脱窒がおきていることを計算外にして、メンテの仕方や水槽環境を変えたりすると、まさに計算外の事態が。

目詰まりしにくいフィルターで硝酸塩地獄になったり、泥で脱窒しているのを計算外にして掃除をし過ぎたり、嫌気層を設けてアンモニア還元地獄になったり、餌が炭素源の計算に入っておらず炭素源を入れすぎてドブ化させたり。

経験的に安定しやすい普通な管理方法こそが、知らずのうちにも、脱窒という現象をうまく利用できていたのです。



まとめ
・安定している水槽では、脱窒作用が普通に起きている
・泥を徹底掃除した時点から、硝酸塩が多量に溜まり始めることが、
 脱窒作用が普通に起きていることをあらわしている
泥掃除は表層だけにする
・換水を控える必要はない
・餌を控えても硝酸濃度を減らすことはできない
・溜まりすぎた泥や、嫌気層など常に酸欠状態の部分では脱窒しにくい
・目詰まりが起きない設計のフィルターは安定に時間がかかる
・酸欠にならない限り水流を弱めたほうがよい
・換水を含めたベテランのメンテナンスは経験的にバランスが取れているが、
 反対に足し水だけで維持できる人がいてもおかしくない
・硝化サイクルが立ち上がっていても不安定なことはありえる
・コケがなくても不安定なことはありえる
・不安定なら硝酸塩濃度を測ってみるべき
硝酸塩濃度があがると体内の酸欠により体力を消耗する
エロモナス病に罹るのは、かなり体力消耗している証拠
体力消耗のため薬が効かない
・エロモナス予防は脱窒菌で、コケ予防は多量の陽性水草に高光量で
・餌にも脱窒作用に効果のある炭素源が入っている
・砂糖を添加するなら100リットルに小さじ半分以下で数ヶ月持続
完全な嫌気環境は脱窒に不向き完全止水・底砂を厚くし過ぎ・嫌気層設置



あとがき
決して砂糖添加を推奨するのではないし、外部フィルターでも普通に安定させられます。泥を残して脱窒を阻害しない従来の管理でうまくいけばそれでいいのです。

また、脱窒がうまくいっても、コケ対策、ミネラル供給なども考えたら換水も必要になります。

十分な餌を与えつつも硝酸塩をできるだけ溜めこまないセッティングや飼い方を考えることが、水槽の安定につながるのではないかと思います。

硝酸塩が多い場合でも換水ペースや量をふやせば生体の負担になりますから、脱窒量の増加を考慮に入れるほうが管理が楽になるでしょう。

そのためには脱窒が起きているのを無為に阻害しない管理が基本になるのではないでしょうか。

掃除のしすぎをやめ、エサを必要十分与え、換水ペースを硝酸塩値から決めることがポイントになります。

水だけでなく魚もつやつやのピカピカに! 健康な魚はスポットLEDやメタハラなどの点光源のライトで鱗がひときわ輝きます。

これで終わります。お疲れ様でした。
そして沢山のお魚さん、エビさんたちもお疲れ様。

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