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食いそうで食わない?

98年からアクアリウムを始めました。熱帯魚と水草そしてエビとカエルとラムズのコミュニティタンク(混泳水槽)で試行錯誤した結果をブログ記事にしています。

メタハラは水草水槽向き?【スポットもあるよ】

明るい印象のあるアクアリウム用のメタルハライドランプ。水草水槽向けの蛍光灯の上位版のようにうたわれたこともありましたが、実際はどうなのか。
そしてスポット型のメタハラとLEDスポットライトはどっちが優秀なのか。
手に入った情報をもとに、私のメタハラとLEDの使用経験と照らし合わせて比較してみました。2014.10.02追記

メタハラはロマンだ!
なにしろスペクトルや照らし方が自然光にとても近いのです。
 
気化した金属化合物のアーク放電の光で自然なスペクトルを実現、まさに技術の賜物です。

メタハラのスペクトル

演色性は最高

線が下の方を通っていて貧弱な印象かもしれませんが、一番高い所を100%とした場合の比率だから、突出した青のせいで相対的に低く表示されてるだけで、絶対量はどの程度かまではわかりません。

ほとんどの波長が欠損せずに横一線に同じ高さになっているのが高演色の白色光の証です。

どんな色の物も自然に見えるのが高演色。逆に、鮮やかなランプは極端な山と谷があるものとなります。


メタハラは欠点がない高演色なランプで、逆にLEDと蛍光灯は演色性に欠点があるけど特定の色が鮮やかに出るランプというわけ。(蛍光灯は緑と赤が鮮やかで、LEDは黄色と青が鮮やか)

LEDでも蛍光灯でも別の種類のライトから交換すると見た目の印象に発色の落差がおこり「え」ますのでご注意。

どれが最高ということではありませんが、好みが出るところです。

自然で立体的な点光源
メタルハライドランプは総じて点光源なので、蛍光灯では再現できない輝度があります。

つまり魚が輝いて陰もはっきり出るんです。

なので水槽内が蛍光灯や薄型LEDよりも立体的に見えます。

蛍光灯に慣れ親しんでいる方だと違和感がある方もいるかもしれませんが、太陽光に近いのはメタハラの方です。

メタハラは水草に適している?
水草が光合成に使用する波長は下図のように諸説ありますがだいたい可視光全域。


育てるために上図の割合で照らす必要があるのではなく、各波長域の光合成利用率の高さを表すグラフです。

大雑把に言えば660nm付近の赤い色がとくに効率がよく、次いで450nm付近の青が効率が良いと言われています。とくに660nm以上の赤色波長は蛍光灯や白色LEDだとかなり落ち込みますが、
メタハラはこの辺りも急に落ち込まずにしっかり出ています。

水深の浅い規格水槽ならばLEDでも蛍光灯でも育つことからも、よりバランスのよいメタハラのスペクトルに難があるとは考えられませんね。



実際は大電力でないと育たない
しかし私の水槽は、水深が50cm近くあり、70Wクラスを使った限りでは、ぎりぎりまでリフトアップ高を下げても水草の間延びを防げませんでした。


育たなかった私の水槽環境
私の水槽では、50cm弱という水深のせいで、メタハラ70Wだけではなく、蛍光灯カラーライト2個(20W管4灯80W)でも綺麗に育った試しがありません。

薄型LEDを30W分入れたときも同じようなもので、細いからスペースが空くので蛍光灯やらメタハラを隙間に併設してみても、やっぱり泣かず飛ばず。

メタハラ蛍光灯LEDのコラボでもアウト。

そのうち面倒になり、メンテの邪魔になるメタハラと蛍光灯をどかして薄型LEDだけにしてしまったら、これまた大して育ちが変わらない。ってことは薄型LEDの方がちょっとましなのかな?……という微妙な違いはありましたが(LEDはチップ内にリフレクタ内蔵、とくにルシファパワーは灯具の光学性能も高い)。

たったの30Wで合計110Wぐらいの蛍光灯+メタハラと大して変わらないというのもすごいけど。

下葉が落ちて水面付近の葉だけが巨大化できる謎
メタハラを使ったときの特徴を言うと以下のような感じ。

植え込んだ水草は下葉が落ちて、茎だけが太くなって間延び。

茎が水面付近に伸びてくると大きく健康的な葉を出し始める。

そして水面付近から沈み込んで縦巻きになって、放置するとぐるぐる巻きに。

やがてぐるぐる巻きのどこかから花を咲かせます。

どうしてこうなっちゃうのでしょうか。

「メタハラは光が強い」は間違い
光が強過ぎるから草が負ける、なんていまだに言われてますが、これは間違い。

もしそうなら、水面付近に来ると本気出すどころかどんどん弱ってくるはず。しかし現実は逆。

赤系水草なら水面付近だけが元気に赤くなるのでわかりやすいです。

全光束は大きいのに?
確かにメタハラはだいたい70W以上からなので全光束が大きい製品ばかりだし、点光源なので、照度計をライトに近づけて測ると何万ルクスにもなります。

70Wクラスのメタハラは全光束が5000ルーメン以上(20W蛍光灯4~5本分)あります。

だから、これだけ明るければ強いと誤解するのもわかりますが、メタハラ製品特有の問題として、リフトアップが前提になっているのと、レンズがないところがネックなのです。

自動車のヘッドライトだってレンズがあって始めて遠くが見えるのですから。

拡散する光子
光子を求める水草

レンズがないせいで、光子が拡散して、距離減衰が大きくなっている、だからライトからかなり近い場所じゃないと育たないのです。

少なくとも同等な全光束の蛍光灯と同じ距離までしか育成できないわけ。それ以上離れた距離の草は元気がないってことです。

植物は光子を使って光合成しており、光子の密度が減ってしまうと光合成量も少なくなってしまうのです。

蛍光灯もリフトすれば間延び
蛍光灯も夏場にリフトアップすると草が間延びするでしょう。20W管4~5本分の全光束では60cm規格水槽に直置きでどうにかなるかならないか程度なので、メタハラもそれと同じ距離に下げてあげなきゃ。

メタハラにかぎらずレンズがないと、全光束5000ルーメンで、ライト付近の照度が数万ルクスあったものが、ライトから70cm下の水底に届く光は1000ルクス程度まで落ちてしまうようです(計算にはこちらのシミュレーターをお借りしました)。




海水アクアリウム用ライトからの転用製品
リフトアップは便利だが

メタハラは蛍光灯の上位機種として企画され、高温に弱い生物が多い海水用のライトを転用しているので、最初からリフトアップ可能な設計なのが仇になった。

全光束は大きいのにリフトアップして距離があるので水底の照度が蛍光灯より落ちてしまう。

だから「蛍光灯の方がメタハラより水草育成に向いている」という都市伝説が出来てしまったのでしょう。

水草水槽のライトとしてはリフトアップできるのは大変ありがたい機能です。メンテのときにどかす必要がないし、メンテ中も照らせるから細かい作業もしやすいです。

蛍光灯だとリフトパーツごと外す必要があって、水の中に落としたりして大変面倒ですから。

面光源と下葉の関係にも限度が
蛍光灯は面光源だから下葉が落ちないというのも限度があります。

水草もさもさで葉の密度が高いときは、面光源からの木漏れ日は届きにくくなり、むしろ普通に葉を透過した光の量(照度)の方が重要になります。

葉は完全な不透明ではないので。

蛍光灯や薄型LEDも水深に弱い
たとえ蛍光灯でも、リフトアップしたり水深が深い水槽だと水草が間延びしてしまいますので、照度が下がってしまうと面光源でもどうしようもないのがわかります。

自分好みでへんてこなスペクトルのスポットLEDをつかってみたら水草が育ってしまった経験からも、面光源だのスペクトルだのにこだわらず、照度さえ高めればどうとでもなります。

だからライトの種類はあんまり関係ないのです。
しいて言えばレンズ付きにするか消費電力を増大させるか。

水深とリフトアップのせいで育たないけど、
リフトしないと水草が溶ける

・水草は高水温に弱い
・ライトから水草までの距離に比例して照度が減る
・照度とは飛んでくる光子の個数みたいなもの
・リフトしても十分な明るさがほしい
・全光束を増やすと発熱も増える
・リフト高と全光束のバランスを探ることに

全光束大きい=発熱大きい
全光束が高いほどランプが熱くなるのはどんなライトも同じです。LEDメタハラ蛍光灯とも、発光効率が50lm/W~100lm/wと五十歩百歩で、消費された電気は、光になった分とそれ以外のロスあわせて、最後にはすべて熱になります

種別 全光束 消費電力 発光効率
岩崎セラルクス70W 約5000lm 92W 約54lm/W
東芝メロウZ 20W形蛍光管 1450lm 18W電源含まず 80lm/W
コトブキフラットLED 825lm 14W 58lm/W
※蛍光管だけ安定器のロスが計算外なので実際には表より落ちるはずです。ワットチェッカーで2灯形36Wのはずが47Wとか49Wの情報あります。47Wなら61lm/W、49Wなら59lm/W。
※訂正セラルクス70Wは約7000lmではなく約5000lmでした。
※全光束が高いから照度も高いとは限りません。光学性能によります。


全光束と消費電力から逆算して表にしてみましたが、やはり発光効率は50歩100歩ですね。LEDはもっと高いのもありますがその差は倍も開きません。

強いライトは熱いからリフトアップしなければならないが、距離に比例して照度が落ちるので、水槽が深かったり高い位置にリフトすると、逆に低照度になってしまいます。

水草を育てるには「全光束と、水深+リフトアップ距離のバランス」が大事なのでしょう。

メタハラで育ってる記事を検索したら
ネット上で水草がよく育っている記事を検索するかぎり、なんと300Wぐらい使っています。

レンズがあるスポットLEDは数十ワットで深くても
間延びしない

上はレンズのあるLED、海水用や電球色などのスポットLEDによるトリミング直後の成長状態です。

下から撮影しているので上の方に新葉が写っていますが、水面からまだ20cmぐらい開いてます。


いままでに色を調節するために何灯かとっかえひっかえしているけど、使ってもせいぜい合計60W程度で、300Wも使っているわけではないです。

メタハラや蛍光灯などを使っていたときと違って、茎をだらだら伸ばす前に新葉を展開して落ち着いた成長をします。トリミングは1ヶ月~2ヶ月に一度。

ライトの種類では照度は大差ないが
レンズの有無では照度が何倍も違う
(電力比)
スペクトルが育成に適しているとは言えない構成のスポットLEDを使ったら、たったの数十ワットで水草を育成できるのに対して、よりバランスいいスペクトルのメタハラなどはなぜ300Wもかかるのか。

もうレンズやリフレクタ(鏡)などの光学的な性能差ぐらいしか考えられないでしょう。

2灯式蛍光灯とほぼ同等の全光束(2884lm)のLEDの照度
(こちらのシミュレータで算出)
ビーム角   50度 ビーム角   120度
30cm下で46912lx 30cm下で3400lx
50cm下で16888lx 50cm下で1224lx
上の表のように、同じLED同士でも、50度のスポットと比べて、角度が普通のライトに近いビーム角120度だと照度がずいぶん落ちます。



180度以上のライト、つまりレンズやリフレクタのないライトもしくは、これらの品質・精度の悪いライトは照度が極端に低くなることが想像できます。

ですからレンズとリフレクタの品質も問われます(照度分布がムラになると育ちに影響)。

しかしLEDはリフレクタを最初からチップ内に内蔵しているうえに、レンズは小さくて非ガラス製、高精度なガラス加工技術が必要ないらしく、光を満遍なく配光できる割には、メタハラ等の高品質スポットライトよりも圧倒的に安価です。

スポットLEDは明るいけど発色調整のために多灯したい
写真の時の構成は3つとも海水用UVレッドブルー+電球色のスポット。同じ条件のものです。色が違って見えるのはカメラの設定が違っているだけです。

育ちに関しては片面20W一灯、左右で2灯でも足りるのかもしれません?が、発色が薄かったりするので色を調節したくなり多灯化。

だからLEDを使うときもカミハタ ネオ アーチ900みたいなメタハラ用の台を買ってしまったほうが後々が楽になります。

スポットLEDにする前は、茎を伸ばして水面に達してから本気出す感じで、せっかくの深さが無駄になっていました。

レンズのないメタハラで育てるには
メタハラでも蛍光灯と同じ電力で育てたければ、水深のない水槽で水槽上面ギリギリに設置し、陽性水草は盛り砂の上に植えて、前景水草で下葉を隠すべしとなります。

蛍光灯の直置きの高さで設置、水温が上がってしまう分はファンやクーラーなどで補うしか。

これでは足し水も大変だし、少し上に設置して300W使うほうがバランスが取れているのかもしれませんね。



ならばレンズのあるメタハラはどう?
メタハラでもレンズのあるスポット型ならLEDのような鑑賞や育成ができるのか、つきつめてみましょう。


上はスポット形のメタハラです。

カミハタ ネオ アーチ900や、消えてしまった名機スライドアーチ 6090などのライトスタンドを水槽上部に設置してクリップするタイプ。

散光というのは当記事の散光と違う意味で、ビーム角70度のスポットを散光と表記しているみたいで、集光が30度。クリエリを買うときにこれと迷いました。

特長は水温上昇を抑える工夫があるとか。赤外線を反射しないリフレクタと赤外線カットレンズがキモだったと思います。店舗照明の転用なので、赤外線で展示物を熱するわけに行かない事情があったものと思われます。

これならいけるかも
明るさは検索できた記事によると、150Wで水深30cmの水底照度は70度散光形で1万900ルクス、30度集光形で2万6千ルクス。

ライトとしてはかなり強力。

ライトの消費電力は電気ストーブの消費電力と同じ熱さ
どんなライトでも投入電力のうち光にならなかった分が無駄な熱になり、最終的には光も熱になります。

この場合は合計150W分の電気ストーブをつけたのと同じ熱量になり室内外の温度を上げます。

しかし、メタルハライドランプでの育成を考えたら、150Wだけで水草に十分な光が当てられるなら、かなりいい条件ではないでしょうか。

フードは付けられない
これだけ熱いとフードをつけたら火災の元になりかねません。

LEDはヒートシンクが熱いだけで、熱出力がクリエリ14改で一灯あたり14W以上になるはずないので、夏の熱さが全然違います。もしもなったらエネルギー増強できることになっちゃうのです。

1~2年で球交換が必要
交換球がこれまた高価…
交換球 スーパークール115球 サンホワイト散光/SWW 
交換球 スーパークール115球 サンホワイト集光/SWN

昔のメタハラのように一年交換が推奨されるのでしょうか。

レンズの精度
レンズの精度が不適切だと、「ビーム角の範囲内でも」ムラがあったりします。そうなるとうまく育てられません。

だからレンズの品質が悪いと逆効果です。これは配光特性表を見ただけではわからない肝心な部分です。

以前70Wのビームランプ形のハロゲンライトを使ったときが、真ん中に点のような、光の強弱のムラができてうまく水草を照らせませんでした(10年前のホームセンターにあった安い作業灯)。葉っぱ一、二枚だけが白く浮かびあがる感じで、あとは明るくない状態。

格安カラーLEDスポットライト(パーティーライト系)も似たような感じでした。

店舗照明用のOKAMURA スーパークール115の配光写真をもとにすれば、品質はかなりいいようです。

色温度が違いますが同じレンズだと思われるので。

逆にアクア企業が作ったものではなく、店舗照明用の転用だから、綺麗に配光する技術が使えたのかも(アクア企業がだめってことじゃないですよ。業種による技術の蓄積の問題です)。

交換球が高価なのは高性能レンズと赤外線を反射しないリフレクター込みだからでしょうね。

メタハラの注意点
高温高圧のため、しかるべき資格なしで改造厳禁です。

点灯しているライトを触ったらヤケドします。

フードなど付けてはいけません。

鑑賞するときだけ点灯するような使い方が安定器を痛めるかもしれません(LEDと違って即時点灯即時消灯してはいけない)。

また、高周波対応漏電ブレーカーに変える必要があるかもしれません。

発色調整のために多灯する必要はない?
メタハラは高演色なのであって、よく使われている3波長蛍光灯と同じような鮮やかな発色というわけではありません。

TFWの70Wアクア球を使った感じは「鮮やか」というより、「自然」という言い方が近い感じでした。

やっぱり多灯しちゃってた
輝きと立体感があるので、かなり好きなんだけど、青さが欲しくなって青い蛍光管を足したりしていました。

というわけで高演色(高Ra値)といっても多灯したくなるかもしれませんね。

結局メタハラもLEDも多灯前提で考えたほうがいいということになります。



スポット形のLEDとメタハラの比較
改めてハイタイプの水槽で水草を育てる場合の選択枝を考えたとき、蛍光灯は照度的に無理があるので、LEDスポットライトと比べることになります。

だからメタハラの消費電力と高温、コストの高さ、コケ対策の手間の4つと、LED化したときの演色性のアンバランスさと影の不鮮明さがトレードオフになります。

自然さが大事なら高コストですがスポット形のメタハラ1択でしょう。

 スポットLEDでも蛍光灯よりは影が出ますがメタハラほどくっきりしません。何個かの影にわかれてしまうのです。

くっきりした影は輝きを生みます。

とくに鱗のある魚類は、色が地味な種類でも輝いて見えるので観賞価値が高まります。

LED、蛍光灯、メタハラの一長一短まとめ

ライト 発色、揺らぎなど コケ対策 短所
蛍光灯 3波長管は緑と赤が濃く
 黄色が弱い
 鮮やか、やや不健康な印象
揺らがない、影がない
不可 スペースが足りない
レンズをつけられない
浅くするしか手がない
LED 白色LEDだけだと薄い発色
 青と黄色は鮮やか
白色を廃したマルチブレンド形で改善可
影をそこそこ出せる
スポット複数個
で可
初モノのトラブル多し
主要メーカーが
スポットを
出さない
メタハラ 自然な発色
蛍光灯より色が薄い
影がくっきり立体的
 鱗が輝く
集光形スポット
複数個で可
個数倍熱くなる
一個でも電気ストーブ
なみに熱い
フードなど工作不可

※コケ対策というのはコケが生えやすい部分をわざと照らさないテクニックです。

以上です。
LEDのページと合わせて活用していただいて、挫折が多い水草育成の敷居を下げていければと願っています。

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